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取材・文/沢木文

 

仕事、そして男としての引退を意識する“アラウンド還暦”の男性。本連載では、『不倫女子のリアル』(小学館新書)などの著書がある沢木文が、妻も子供もいる彼らの、秘めた恋を紹介する。

* * *

洋服を一緒に買いに行くデートから始まった

今回、お話を伺った、名和匡仁さん(65歳)は、元地方公務員。63歳で迎えたモテ期と彼女についてお話を伺った。

【その1はこちら

昼間から営業しているカラオケスナックで、持ち歌を歌ったところ、ある女性から「いい声ねえ~」と称賛される。

「女性って不思議なもので、ある人が称賛すると、みんながわらわらと『いいわね』と言い始める。確かに私はかつてバンド活動もしており、それなりに歌は上手な方だと思っていたけれど、女性に『いいわね』と言われたことなどなかった。だから、彼女のシンプルな賞賛がうれしかったんです」

その後も、週に2回ほど、昼間営業しているカラオケスナックに、時間つぶしのように通い始める。

「仕事を辞めたことも妻にバレてしまい、妻がイヤな顔をしたんですよ。だから『どこかでアルバイトでも探して、なるべく家にいないようにするよ』と言ったら、ホッとした顔をしていた。それが夫婦のリアルですよね。

ただ、私はモテなかったから、女性は妻しか知らない。そのときの妻の態度を見て、他の人と結婚していたら、どんな人生だったのかな……と思いました」

その後、求職活動をしつつ、息抜きにカラオケに行く。最初の出会いから半年ほどして、彼女の方から『名和さん、顔色が悪いわよ。何かあったの?』と話しかけてくれたんです。女性から健康状態を気づいてもらえて、心配してもらえるって、すごく満たされる。『何でもないですよ』と答えつつ、ドキドキしました」

その後、彼女のほうから「名和さんは素敵なんだから、素敵な服をお召しになったら?」と買い物に誘われる。

「それまで、質素な生活をしていたので、お金はありました。だから、一緒に買い物に行ってみたんです。すると彼女は、ファストファッションやブランド店で、バランスよく提案してくれる。それがすごく楽しかった。昼飯を誘うと、彼女は高血圧だから外食はしないと言う。その後、間髪入れず『うちでお昼はいかが?』と誘われたんです」

【彼女は59歳。2年前に夫と死別した後、ひとり暮らしをしていた。次ページに続きます】

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