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取材・文/沢木文

結婚当初は他人だった。しかし、25年の銀婚式を迎えるころに、夫にとって妻は“自分の分身”になっている。本連載では、『不倫女子のリアル』(小学館新書)などの著書がある沢木文が、死や離婚など、妻と突然の別れを経験した男性にインタビューし、彼らの悲しみの本質をひも解いていく。

お話を伺った、大石光男さん(仮名・62歳・会社役員)の7歳年下の妻に異変があったのは1年前。外出の回数が増え、帰宅が遅くなったことで、探偵に素行調査を依頼。見知らぬ男性と笑顔で歩く妻がいた。

【その1はこちら】 

専業主婦なのだから、食事を作って当たり前

探偵の報告してきた動画には、見知らぬ男性と「ホーッホッホッ」と特徴的な明るく大きな声で笑う妻の声も録音されていた。

「結婚する前、彼女はよく笑っていたんだけれど、3人の息子の子育てと家事に追われるうちに、前のようには笑わなくなってしまった。でも妻には経済的に何一つとして不安を与えていない。やりたいことは何でもさせて、ほしいというものは何でも買ってやった。ママ友とやらに『大石さんはいいわね~』と言われたと何度も言っていた」

妻の行きたいところはどこにでも行かせる。ただし、食事の支度をしていれば。

「それは専業主婦なんだから当たり前。それにウチの妻は料理が好きなんだ」

大石さんの息子たちは、29歳、27歳、24歳。今では全員一人暮らしをしている。子供たちが巣立ってから、妻は若返り始めた。

「あれは男ができたからなんだとわかった。探偵に頼んでよかったと思う反面、30年間、家庭を温かく守ってくれた妻はもう戻ってこない。分かれ道はどこにあったのか、全くわからない」

妻が浮気していた相手は、妻がかつて勤務していたファンクラブ運営会社の同僚ではないかと推測している。

「追加でその男の素行を調べる見積もりをとったら200万円と言われてやめたよ。妻の浮気の事実は消せないからね。相手は背が高く50代前半くらいの優男でね、ピンク色のセーターなんか着て、キザったらしい感じのヤツだよ」

写真を見せてもらうと、すらりとした長身で、軽くパーマをかけた栗色の髪の男性が映っていた。コートは英国ブランドのもので、温かそうで上品。洗練された優雅な雰囲気をまとっており、女性からモテそうだ。

「こいつなら女性を選びたい放題だろうに、なぜ妻なんだ。妻はとっくに閉経を迎えているし、57歳で3人の息子を産んでいて、お腹もたるんで、背中にたっぷり肉も付いている。本当にただのオバサン」

息子たちが巣立ち、穏やかな生活を2人で送ろうとしていた矢先にわかった妻の浮気。活動的で明るく社交的、よき母で貞淑な妻だった妻はもういない。

妻の浮気がわかった日から、猛烈な浪費が始まった…次ページに続きます】

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