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取材・文/大津恭子

【夫婦の距離】夫婦間で逆転! 広がりつつある年賀状格差~その2~

定年退職を間近に控えた世代、リタイア後の新生活を始めた世代の夫婦が直面する、環境や生活リズムの変化。ライフスタイルが変わると、どんな問題が起こるのか。また、夫婦の距離感やバランスをどのように保ち、過ごしているのかを語ってもらいます。

~その1~はコチラ】

[お話を伺った人]

林田浩一さん(仮名・64歳) 酒造メーカーで事業本部長として定年退職。同企業内での2年間の再雇用期間がまもなく終了する。

パソコン音痴の夫に代わって年賀状を出していたのは妻

「おまえの年賀状は仕事絡みの人からばかり。いずれ来なくなるさ」

キッチンにいた妻は夫の愚痴から本心を読み取り、激怒した。30年間100枚を超える夫の年賀状を準備し、送り続けてきたのは、他ならぬ妻だったからだ。
そんな自分に対し、夫の解釈はあまりにも卑屈だと感じたのだろう。

妻の冬乃さんは現在、編み物講師をしている。もともと趣味でやっていた編み物だが、10年ほど前、高齢者施設に贈った作品がサロン経営者の目にとまり、講師として招かれたのがきっかけだった。

冬乃さんはもともと美大でデザインを学んでおり、個性的なパターンを得意としていた。冬乃さんの小物やセーターが独創的だと口コミで拡がり、今では4つの教室を掛け持ち、生徒数は120名を超える。

そんな冬乃さんが作る林田家の年賀状はオリジナリティに満ち、林田さんの社内でも時折話題にのぼったそうだ。

「僕も忙しかったし、妻が作る年賀状は社内でも評判がいいので、すっかり任せていたんです。ある年、枚数を少し減らさないかと言われたんですけど、減らす理由がない。きっと年末忙しかったんでしょう。なんとか頼み込んだら、『喪中はがきの分だけもリストから外しておいて』と言われまして。パソコンをいじってたら、間違ってリストごと消去しちゃったんですよ。なんとか複製できましたけど、あのときもすごい剣幕で怒られましたね(笑)」

30数年会社勤めをしてきた林田さんだが、何を隠そう、いまだにパソコンアレルギーで、スマホは使うものの、パソコンソフトを使いこなすことができないという。

「僕は営業畑が長かったし、携帯電話でなんとかなっちゃう業務だったんですよ。プレゼン資料や社内稟議書は部下が作成しますし、出張の手配や精算なんかは秘書の女性が全部やってくれましたから。キーボード系はホントにダメなんです」

【次ページに続きます】

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