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取材・文/ふじのあやこ

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、その時に感じた率直な思いを語ってもらう。

親族付き合いが希薄な実家と、親族経営で関係が密な夫家族

今回お話を伺った、千鶴さん(仮名・37歳)は、24歳の時に結婚。今は夫と2人の子どもと都内で暮らしています。千鶴さんは生まれてずっと都内で育ち、地方暮らしの経験はありません。地方出身の相手の家族との関わり合い方に馴染めず、苦労したことがあると言います。

「夫は8歳上で、私が学生の時にアルバイトしていた和食料理屋で知り合いました。夫の出身は和歌山県。夫は兄弟が多くて、しかも三男坊なので地元に帰らなければいけないことはなくて、そこだけが唯一の救いというか……。もちろん夫のことは好きで結婚したのですが、慣れない親戚付き合いには、結婚する前からずっと戸惑っていました」

千鶴さんは東京23区内出身で、両親と2歳下に弟のいる4人家族。親戚は大阪、九州と遠方にいたため交流はあまりなく、祖父母とも年に1~2度顔を合わせるだけだったそう。

「生まれてからずっと親戚とは交流がありませんでした。小さい頃は祖父母と一緒に家族旅行に出かけた記憶もありますが、昔に祖父母ともに体を悪くしてからは、母親だけが様子を見に行くくらい。私が小さい頃に父方の祖父母が亡くなり、母方の祖父母も私が結婚する前に亡くなってしまったので、親戚に会うのは法事の時だけです。それも母親からは『すでに結婚して家を出ているのだから、無理にお金を使ってまで来ることない。親たちだけで済ますから』と言ってもらえているので、子どもを理由に甘えさせてもらっています。親戚間の交流はほぼなくなり、従兄弟なんて個人的な連絡先も知りません。そんな関係です」

一方の夫の実家は親族経営の飲食店をしながら、家も同じ土地に親族が固まって生活する密着ぶり。最初の戸惑いは家族からの連絡の多さだったとか。

「付き合っている時にも、しょっちゅう家族から連絡がありました。当時は携帯も普及してからしばらく経っていて、しかも一人暮らしなのに、固定電話をひいていたんですよね。一緒に家で過ごしていても、電話に邪魔されることが多かったです。それに妹とも仲良しで、私よりも頻繁にメールをしていました」

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