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取材・文/沢木文

仕事、そして男としての引退を意識する“アラウンド還暦”の男性。本連載では、『不倫女子のリアル』(小学館新書)などの著書がある沢木文が、妻も子供もいる彼らの、秘めた恋を紹介する。

【その1はこちら

* * *

初恋相手は客室乗務員に……機内で再会後の恋

今回、お話を伺ったのは斎藤紘一さん(仮名・62歳)。静岡県静岡市で生まれ育ち、高校3年の時に父親の転勤で東京に引っ越す。その後、有名な私立大学に進学。卒業後は商社に勤務し、台湾と日本の往復生活を送る。60歳で定年退職した後、再雇用され今も忙しい生活を送っている。

「初恋の相手とは、27歳の時に機内で再会した。高校時代から頭がよくて、地味な性格の人だったから、そんな花形の職業になっていると思わなかった。東京の有名な女子大を卒業していて、私たち世代の人にしては脚がすらりと長くて、とてもカッコよかったんだ。泊まっているホテルのメモを彼女にこっそり渡した。彼女は勤務中だから何も言わなかったけれど、訪ねてきてくれることを信じて待っていた」

当時の斎藤さんは27歳で独身だった。

「あのときほどワクワクしたことはないよね。部屋では待ちきれなくて、ロビーのソファに陣取って、フロントのカウンターを凝視すること1時間。やっと彼女が来たときはうれしくて飛び上がりそうになった。結局その日は飲みに行っただけで終わり、東京で再会して、男女の関係になった。こっちは盛り上がって、結婚しようと思っていた。でも、その後わかったんだけど、彼女は別の相手とすでに結婚していたんだ。遊び相手にされたことがショックで、しばらく立ち直れなかった」

高校時代に告白して、返事をうやむやにされた。そして運命の再会かと喜んでいたら、単なる遊び相手として扱われた。

「同じ相手に2回失恋したよ。手に入らないと思うと、男は燃えてしまう。でも、手に入らない人を追い続けられるほどのエネルギーがない。男は恋に時間と労力をかけられない。飽きちゃうんだもん。仕事がとにかく忙しいし、他に女性はいっぱいいるし。そうこうしているうちに見合い結婚して、彼女も引っ越してしまい、連絡が取れなくなってしまった」

その後、機内で再会するかと思っても、その機会はなかった。

「向こうも避けていたんだろうね。それから、浮気みたいなことをするたびに、なんとなく彼女の姿が脳裏にちらついていたんだけど、そのうちに忘れてしまった。それで半年前の同窓会で62歳になった彼女と再会したんだ。向こうは何事もなかったようにして、『斎藤君、久しぶり』って微笑んでいる。女は怖いよね。こっちはドキドキしてるのにさ」

【次ページに続きます】

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