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【最後の恋】妻以外の女性と関係が進んだのは、自分の話を真剣に聞いてくれる“奥ゆかしい昭和の女”だったから~その1~

「私も同世代の男たち同様、家庭を女房に任せっきりにして、わき目も振らずに働いていた。だから定年後は、女房と旅行したり、庭の一部を菜園にしたり、妻の実家から譲られた那須の別荘に行ったりして、夫婦の時間を楽しもうと思っていた。女房は学生時代に知り合って恋愛結婚したんだけれど、私が仕事中心だったから、新婚旅行も満足に行けなかった。定年後の生活の夢を語った時に、妻も『楽しみね』と言ってくれていたんだ。でも、やっぱり私と行くより、娘と行った方が楽しいみたいだね」

奥様は、松田さんと過ごす時間よりも、娘と孫との3人でいたほうが楽しいらしく、出かける頻度は増していく。そして、ここ2年ほどは何も言わずに出かけることが多くなっていった。

「これは私も悪いとは思うんだけれど、妻が『娘と旅行に行く』と言う時に、いい顔をしなかったんだ。娘にやきもちを焼いていたんだね。すると黙って出かけるようになっちゃったんだ。あるときなんて、木曜日の夕方に帰ってきたら書置きがあって『3人で台湾に行ってきます。月曜日朝に帰ります』って。冷蔵庫には3日分の総菜がタッパーに入っておいてある。それをチンして食べているとむなしくなるよね。一緒に食べて、喜び合う人がいるから食事は楽しいのに。だから女房には『適当に買って食べるから、作らなくていいよ』って言ったら、『お金がもったいない。あなたは血圧が高いんだから、塩分が……』などと言われちゃって、ムッとするよね。でもそれを言ったら終わっちゃうから『はいはい、ごめんなさい』って。35年前に女房の実家の土地に家を建てさせてもらってから、私に反論できる余地はない。そんな時に、同窓会で彼女に出会ったんだ」

【高校時代のマドンナは離婚歴があるキャリアウーマン。喜びと悲しみをうけいれられる喜びに心が満たされていく。~その2~へ続きます】

取材・文/沢木文
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』『不倫女子のリアル』(小学館新書)がある。

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