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【ビジネスの極意】目標設定が低い部下への接し方

【ビジネスの極意】目標設定が低い部下への接し方部下の育成のために、自主的に目標を設定させるという指導を行っている組織も多いことだろう。だが、そのような方法だと、目標設定を低めにし、目標を達成することを重視してしまう部下がでてくる。
リーダーシップとマネジメントに悩む、すべてのビジネスパーソンのためのノウハウサイト「識学式リーダーシップ塾」から、目標設定が低い部下への接し方を学ぼう。

* * *

「低めの目標設定」に甘んじる部下に対して、上司がとるべき行動は?

「部下の自主性の尊重」「自分で考える力の養成」こうした観点から、部下からボトムアップで目標を設定させているという組織も多いのではないでしょうか。しかしこの体制を採用すると、なかには意図的に低い目標を設定し、「目標を達成すること」に重きを置いてしまう部下が出てくるものです。ここではこうした「低めの目標設定」に甘んじる部下に上司がどう接するべきかを、3つの視点から紹介します。

「何が評価されるのか」をちゃんと理解させる

ご紹介したいのが書籍『伸びる会社は「これ」をやらない!』の中で紹介されている「識学」に基いた目標設定についての考え方です。

ボトムアップ式の目標設定には「自分で設定した目標に責任を持たせる」という観点からメリットがあります。しかしこの体制を採用する場合は、次の2点に注意する必要があります。

1.「低い設定」を許すような体制であってはならない。

いくらボトムアップ式で目標を設定するからといっても、その目標を許可するかどうかの権限は上司が握っているべきです。「なんでもいいから自分で目標を決めて頑張れ」というスタンスでは、達成だけが目的の低い目標を設定する部下が出てきてしまうからです。「自分で決めた目標だから、自分で変えてもいいだろう」と考える部下が生まれる可能性もあります。

あくまでも決定するのは上司であり、部下の目標設定を承認するという上司としての作業を怠ってはいけません。

2.評価基準は常に「上司が求めることに対する達成度」でなければならない。

部下が低めの目標設定をするのは「(自分が決めた)目標に対する達成度」が評価基準だと考えているからです。しかし本来は、目標は上司が決定するものであり、「上司が求めることに対する達成度」が評価基準になるべきです。

部下は上司に評価されるよう仕事をする存在です。目標設定に関する全てを部下に一任するということは、そうした本来の機能を放棄するということです。ボトムアップ式の目標設定においても、上司は上司としての責務を果たさなければなりません。

この2点から今の体制を見直し、お互いの本来の役割を明確にしておきましょう。

「X理論・Y理論」から部下と組織の関係を調整する

マサチューセッツ工科大学(MIT)元教授のダグラス・マグレガーは1960年に「X理論・Y理論」というモチベーション理論を提唱しました。X理論は性悪説に立った人間の見方で、人間を以下のような生き物だと考えます。

・仕事が嫌いで、なるべく仕事はしたくない。
・誰かからの脅しでもなければ目標を達成できない。
・自分で考えて行動するよりも、命令されて動く方がいい。

これに対してY理論は性善説に立ち、人間を以下のような生き物だと考えます。

・仕事は人生における満足感の源泉だと考えている。
・自分の目標のために努力する。
・自己実現の欲求などを満たすために、自ら行動する。

低めの目標設定に甘んじる部下は一見するとX理論における人間観に一致するように思えます。しかしマグレガーはこの理論を通じて世の中の組織が、従来型のX理論由来のマネジメントではなく、Y理論由来のマネジメントへ移行していくことを望んでいました。ではどうするべきなのでしょうか。

Y理論におけるマネジメントを成立させるには、「本人の欲求や目標と企業目標を明確化し、双方を調整する」という作業が必要不可欠です。したがって「X理論・Y理論」に基づけば、低い目標設定に甘んじる部下というのは、自分の欲求や目標と企業目標が一致していないと感じているから、低い目標設定に甘んじているのだと考えられるのです。このとき必要になるのは「部下が何を考え、組織が何を考えているか」のすり合わせであり、それに基づいた目標設定方法のレクチャーです。

「EQリーダーシップ」を高めて、部下の希望を引き出す

「EQリーダーシップ」とは心理学者でビジネスコンサルタントのダニエル・ゴールマンと、ケース・ウェスタン・リザーブ大学教授のリチャード・ボヤツィスとアニー・マッキーが提唱したリーダーシップ論です。

これからのリーダーは従来型のIQ=考える知性でチームをまとめるのではなく、EQ=感じる知性でチームをまとめるべきだと指摘しました。EQリーダーシップには以下の6つのスタイルがあり、状況に応じて使い分けるべきだとされています。

ビジョン型 共通の夢に向かって人々を動かす。
コーチ型 個々人の希望を組織の目標に結びつける。
関係重視型 人々を互いに結びつけてハーモニーを作る。
ペースセッター型 提案を歓迎し、参加を通じてコミットメントを得る。
民主型 難度が高く、やりがいのある目標の達成をめざす。
強制型 緊急時に明確な方向性を示すことで恐怖を鎮める。

目標を低めに設定してくる部下に対して必要なのは、このうちコーチ型の「個々人の希望を組織の目標に結びつける」というEQリーダーシップと言えるでしょう。しかしいきなり「EQリーダーシップを発揮しろ」と言われても困るという人も多いかも知れません。

そのような人は、たとえば目標設定に関する部下との面談時に、部下の表情や言葉遣い、仕草を観察して、そこから相手が何を感じているのかを読み取るよう訓練してみましょう。また、目標設定や達成へのアプローチに関する部下と周りの人のやり取りを観察する事で、部下のマインドを感じ取ることも方法の一つです。その訓練を積み重ねていくうちに、相手が何を言えばどんなふうに感じて、どうすれば心を開いてくれるかがわかるようになります。

最終的な目標は部下が仕事に対して何を考え、感じているのかを知り、そこから本人の希望を引き出すことです。部下の思考や感情を理解しようとコミュニケーションを取ることは、目標を低く設定してしまう部下の考え方を理解し、改善に導く糸口になるかもしれません。

* * *

いかがだっただろうか。いくら部下の自主性に任す、といっても、それが組織にとって不利益になるようなことは目標ではない、といったことを部下にはっきりと認識させることが重要だ。そのためにも、部下がどう思っているのか、どう考えているのか、を理解して、最適な方向に導くことが目標設定が低い部下への接し方として重要なことだろう。

引用:識学式リーダーシップ塾 https://leadership.shikigaku.jp/

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