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取材・文/ふじのあやこ

娘のきもち22・その1
近いようでどこか遠い、娘と家族との距離感。小さい頃から一緒に過ごす中で、娘たちは親に対し
てどのような感情を持ち、接していたのか。本連載では娘目線で家族の時間を振り返ってもらい、
関係性の変化を探っていきます。

「子供の病気は自分のせいだと思っていた気持ちを両親に救ってもらいました」と語るのは、真琴さん(仮名・39歳)。彼女は現在、兵庫県でパートをしながら小学校2年生の女の子のお母さんです。話を聞いている間ずっと笑顔を崩さず、ハキハキと話す感じは好感を持て、周りを明るい雰囲気にしてくれる女性です。

父の数少ない休みの日には海釣りへ。いつも早朝から遊びに連れて行ってくれた

真琴さんは兵庫県出身で、両親と3歳上に姉のいる4人家族。父親は小学校の先生をしており、母親は専業主婦。父親の仕事は土日関係なく、小さい頃はあんまり家にいなかったと言います。

「父親はずっと仕事に行っていて、あまり帰ってこなかった記憶が残っています。学校って休みの日でも学校に誰か先生がいないといけないじゃないですか。父は月の半分以上の週末は学校に行っていて、平日、土日問わずあんまり顔を会わすことはなかったです。小さい頃の私たちの世話や躾は母親が見てくれていました」

仕事に忙しかった父親ですが、数少ない休みの日にはよく遊びに連れて行ってくれたそうです。

「休みの時には私と姉を野球観戦に連れて行ってくれたり、当時住んでいた家が海沿いだったので海釣りに一緒に行っていました。今思うと、休みの日に明け方など早起きして私たちを釣りに連れて行ってくれていたのは本当にすごいですよね。当時釣っていたのはアジなどの小魚ばかりでしたが、私は釣りがどんどんうまくなって、海釣り大会が地元であったんですが子供の部で優勝しましたから。釣りだけでなく、魚の捌き方も小さい頃から教えこまれていましたね。父と釣った魚を母親と姉の3人でその日のうちに捌いて近所におすそ分けに行く。父親との休日はそんなルーティンになっていましたね」

家族仲も姉妹仲も良好。恵まれた家庭環境に見えますが、ある一点だけ子供心に思っていたことがあったと語ります。

「うちは、貧乏だったんです。父親が親族の借金を肩代わりしていたみたいで。うちの家は誕生日プレゼントもなかったし、クリスチャンじゃないからサンタは来ないと言われていました。小さい頃から言われていたので、プレゼントが欲しいと頼んだらいけないものだと思っていましたね。それに姉が一度も言いださなかったので私からも言いにくくて。当時は親族の借金を肩代わりしていたことも知らなかったんですが、なんとなく他の家と違うなと、うちの家はお金がないんじゃないかなと薄々気づいた感じです」

【次ページに続きます】

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