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【娘のきもち】親はいつか死んでしまう。絶縁状態から7年ぶりに連絡を取り合ったとき、両親は……~その2~

取材・文/ふじのあやこ

家族との関係を娘目線で振り返る本連載。幼少期、思春期を経て、親に感じていた気持ちを探ります。~その1~はコチラ

今回お話を伺ったのは、都内のインターネット関連の企業でデザイナーとして働いている佳織さん(仮名・33歳)。富山県出身で、両親と8歳下に弟がいる4人家族。小学校までは父方の祖父母と一緒に暮らしており、おばあちゃん子として育ちます。祖父と母親の中が険悪になり、同居を解消したあたりから、佳織さんと両親の仲は悪化。関係は修復することなく、東京での就職を機にまったく連絡を取らない関係が2年ほど続いたそうです。

「忙しい中で思い出すのはおばあちゃんのことばかり。たまに思い出してムカつくのは母親のことで、父親のことはまったくと言っていいほど考えもしなかったですね。弟は8歳下なので当時まだ実家で過ごしていましたが、そこまで年齢が離れていると特に連絡をとることもないんですよ。私は弟が小学生の時に家を出たのでそこまで関係性が濃くないというか……」

両親を大切にしていた彼氏からの叱咤で実家に帰省しようと決意

そんな中、付き合っている彼と家族の話題になったそう。その時、疎遠な関係を知った彼は佳織さんのことを厳しく怒ったと言います。

「自分は外で女遊びをしているのに、その部分だけは真面目だったみたいです(笑)。彼は女性にモテるだけあって、色んな人にも優しいタイプの人でしたから。両親のことも大切にしているようで、彼も地方人だったので帰省もよくしていたし、東京に呼んで一緒に過ごしたりもしていました。

そんな彼がまったく親の話題にならない私のことを不思議に思ったのか、親との関係を聞いてきたんです。『もう2年ほど連絡を取っていない』と素直に答えると、すごく怒られて……。『一人暮らしを始めると、親との時間はすごく少なくなる。合計するとあと一緒に過ごせる時間は数年くらいなんだよ』と。どこかで読んだ記事のことを話されていたんですが、そんなに短いんだってびっくりしてしまって。考えさせられましたね」

その後、大型連休の機会に思い切って帰省します。両親は突然の帰宅にびっくりしていたそうですが、いたって態度は普通だったとか。昔のような会話のあった関係に戻るのに時間はあまりかからなかったそうです。

「今まではどちらかというと私の方が会話を避けていたので、両親の話していることをしっかり聞こうとしただけなんですが。不思議と会話は続くんですよね。仲が普通に戻ったのは、21歳の時で、22歳ぐらいの時にはおばあちゃんと母親が東京観光に来たり、父親が仕事で東京に来ると私の家で一泊して帰ったりと良好な関係になっていました」

叔父、祖母の死により、親のこと、これからの時間を見つめ直して

さらに両親の大切さを気づかせてくれたことがあります。それは従妹の父である叔父、そして大好きだった祖母が亡くなったことでした。

「それまではそこまで両親の年齢や体調などにあまり気にしたことがありませんでした。叔父さんは病気だったんですが、従妹が泣いているところとかを見て胸が詰まってしまって……。いつまでも元気で側にいてくれる存在じゃないんだなって痛感したんです。

さらに、その翌年にはおばあちゃんが亡くなりました。本当に身を切られるような思いがしました。なんで東京に来てからも毎年帰らなかったんだろう。なんで元気なうちにもっと時間を共有できなかったんだろうと。もっともっと一緒に過ごせたのにと後悔しました。だから、両親とはこんな後悔をしたくないと強く思ったんです」

その後、就職してから初めて父親、母親の誕生日などのお祝いを東京から送るようになったそうです。しかし父親は祖母がなくなったことで結婚を勧めてくるようになったとか。

「両親の欲しいものをリサーチするためなどで、よく電話をするようになりましたね。それに、東京での友達はみんな都会っ子で田舎の雰囲気が好きな子が多いんですよ。その子を実家に連れて帰って、私の両親と友達と4~5人でバーベキューを一緒にするぐらい仲良くなりました。すっかり友達のような間柄です。

しかし、父親とは特に仲良くなり過ぎたという感じなんですが……。実は30歳を迎えたことで父親が私の合コンをセッティングしてくるんです(苦笑)。わざわざ東京の知り合いを探して、東京でセッティングしてくれて……。子供の合コンを親がセッティングって聞いたことがありますか?ありがた迷惑ってこんな時に使う言葉なんだな~ってしみじみ実感していますよ(笑)」

今年両親の還暦祝いをするために弟と一緒に家族旅行を計画して、10月に4人で金沢に行く予定だとか。

「親のために旅行を計画して、弟と密に連絡を取り合うなんて初めてのことでワクワクしています。東京で赤いちゃんちゃんこを2つ買ったんですよ。絶対両親ともに嫌がると思いますが、無理矢理にでも来てもらって写真を撮ってきます(笑)。これから一緒に思い出を残していきたいから」と佳織さんは笑顔で語ります。

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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