取材・文/沢木文

親は「普通に育てたつもりなのに」と考えていても、子どもは「親のせいで不幸になった」ととらえる親子が増えている。本連載では、ロストジェネレーション世代(1970代~80年代前半生まれ)のロスジェネの子どもがいる親、もしくは当事者に話を伺い、 “8050問題” へつながる家族の貧困と親子問題の根幹を探っていく。

* * *

丸山陽子さん(仮名・70歳)は、40歳の「末っ子長男」に手を焼いているとお話を伺ったが、42歳の次女もなかなかにハードだ。エリートだった夫がガンで亡くなってから3年、状況は好転する兆しもない。

自慢の長女(44歳)は、現在ニューヨーク在住のキャリア女性。離婚した米国人の元夫との間に、聡明で美しい娘(15歳)を授かり、仕事をしながら育てている。

【これまでの経緯は前編で】

次女はお金が無くなると、夜の仕事をしてしまう

現在42歳の、次女の写真はなかった。

「キレイな子ですよ。モテると思います。だからろくでもない男が来て、次女にタカっていく。次女はいわゆる“ダメンズ”です。昔から10歳も20歳も年上の男性と恋愛関係になり、金を巻き上げられては捨てられる。23歳から25歳までは音信不通だったんですが、この間、夜の仕事をしながら男を食べさせていたみたいです。主人に相談したら“あいつが勝手にやってることだ。いい大人だから放っておけ”と放置。仕方がないから私が行って、連れ戻してきましたよ。それからいろいろあって、次女はお金がなくなると、夜の仕事をしてしまう。今、コロナになり、次女も40の坂を超え、夜の仕事ができなくなって、ホッとしているんです」

その代わり、陽子さんのところに無心に来る。

「これは仕方ないですよ。来るたびに10万円……はい、10万円って渡しています。バカな子ほどかわいいというか、長女が水晶のような珠だとすると、次女は安物のアクセサリーみたいにかわいくて優しい。“ママ、肩揉もうか”とか“背中流そうか”とかね。今、次女の家には、保護した猫が12匹いるので、いつも毛だらけ。10年以上同棲している彼がいるんですけれど、この人が病気で働けないこともあって、お金を渡してしまうんです」

陽子さんは、時間に余裕があり気分転換のために、コンビニでアルバイトをして3年になる。

「老後資金の不安もありますし、次女に小遣いもやりたい。主人が生きていたら“みっともないからやめろ”とパートもできなかったので、楽しいですよ」

そして、一番問題だという、現在40歳の長男について質問したところ、表情が曇った。

「まあ、いろいろ。ホントにいろいろ。私が仕事に出るのは、長男と同じ空間にいるのが嫌というのもあります」

陽子さんの家は、都内にある三階建ての邸宅だ。敷地面積は50坪弱。2人で住むにはかなり広い。

「長男は“半グレ”って言うんですか。もう40歳なのに、まともに就職したことは一度もありません。その粗暴な仕草と、乱暴な性格で、いろんな人から嫌われてきた、醜い獣みたいな存在なんです」

陽子さんは、世間から非難を集める示威的な暴力が関連するニュース……例えば、アオリ運転、バイトテロ、学校や企業や著名人に対する脅迫などで逮捕されている親の気持ちになると、いてもたってもいられなくなるとか。

「まさに息子がそうだからです。すぐに暴力を振るう。笑いながら壁を殴ったりするんです」

【父親に手を上げなかった理由は……次ページに続きます】

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