結婚6年間は、穏やかな日々だった

孫が生まれてから、三男夫妻は近くに引っ越してきて、茂子さんと夫は育児を手伝うようになる。

「息子の給料だけで3人の娘を育てるのは難しいとのことで、嫁は派遣社員をしています。長女を生んですぐ、社会復帰して働いているので、私も主人も応援したくて、保育園の送り迎えや、食事の世話などをすると申し出たのです。嫁はありがとうございますと言い、『これは私の気持ちです』と、私たちに毎月2万円をくれたんです。その気持ちが嬉しいじゃないですか。ですから私は大切に貯金をして、孫たちの将来に備えていたんですよね」

そんなしっかりしたお嫁さんが、なぜ東京駅で見知らぬ男性と会っていたのか。その理由が知りたいとのこと。

「嫁はとても小柄でほっそりしているから、見間違いようがないんですよ。息子の夫婦仲はよいはずで、今週も一家総出で、私達のところに来ることになっているんです。特に、孫が名門私立小学校に合格したので、仕出し屋さんを呼んで、うちで食事の約束をしているんです」

その様子を見てから、茂子さんは落ち着かなくなり、息子に言うべきかどうか考えているうちに、食事がのどを通らなくなってしまったと言います。

「それに、気付けば、3人の孫娘たちは、毎日のようにうちに来るようになっていたのです。特にこの1年間はひどい。息子はぼんやりしているから、嫁の浮気にも気付いていない。息子は嫁のことをホントに好きなようです。私は、嫁の浮気を確信していますから、離婚するかもしれないと思い、そうなると、孫娘3人にも悪い影響があります。それに、男性がいれば、息子が孫娘を引き取るようにしなければならない。だって、虐待の多くは義父によって行われているというじゃないですか」

茂子さんはそのように想像し、目を真っ赤にしている。先へ先へと考え、その都度対策を立てる性格だと拝察しました。

「私達には経済力があり、テニスをずっと続けているので体力もあります。でも、今2歳の娘が成人するまで18年間面倒をみたとすると、私は83歳になってしまいます。主人と私の老後は台無しです」

絶望的な表情で話す茂子さん。目の周りには疲労の色が濃く出ています。

「嫁が何をしているかを知りたいのです。嫁の姿を見てから1週間、誰にも言えずに悩んできました。傷口が広がる前に、事実を知っておきたいのです」

【嫁が出入りしていた場所、会っていた複数の男性……その2に続きます】

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/

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