関係が近いからこそ、実態が見えなくなる家族の問題。親は高齢化し、子や孫は成長して何らかの闇を抱えていく。愛憎が交差する関係だからこそ、核心が見えない。探偵・山村佳子は「ここ数年、肉親を対象とした調査が激増しています」と語る。この連載では、探偵調査でわかった「家族の真実」について、紹介していく。

***

今回の依頼者は、松本和雄さん(仮名・65歳)。半年前に大手システム会社での定年を迎えたばかり。奥様(60歳・会社員)が家に帰ってこないとのことで、私達に調査を依頼されました。

【調査までの経緯は前編で】

妻は浮気をしているのか

奥様は、毎日深夜に帰ってきて、早朝出ていくというので、私達は深夜から張り込みを開始。

和雄さんの家は横浜の住宅地にある建売住宅。1階にガレージがある3階建てです。深夜1時に奥様は帰宅しました。音を立てないようにカギを開けているようでした。

暗い家の電気はつかず、そのまま朝まで経過。6時半になると奥様は家から出てきて出勤。1時間かけて都心の会社に向かいます。

写真で見た以上に、怖い雰囲気の女性です。私たちは千人以上浮気をしている女性を見てきました。それゆえに、浮気をしている女性というのはなんとなくわかるのです。雰囲気やたたずまいなど、男性に見せる“甘え”や“スキ”のようなものが全くないのです。

黒のスーツに黒のコート。仕事用のバッグは、地味なトートバッグで有名なデザイナーの名前がプリントされていました。

8時にオフィスに入り、14時に出てきました。若手の男性社員2人を連れて、取引先と思しき会社を2社回り、17時に解散。

その後、帰社するのかと思っていたら、解散した場所の最寄りにあるマンガ喫茶に入っていきました。3時間後に出てくると、駅まで歩き改札へ。自宅の方向とは逆の電車に乗ります。10分ほど電車に乗り、奥様とは縁もゆかりもない、近隣住民くらいしか降りないであろう小さな駅で下車。

駅前にある個人経営の小さな洋食店に入って行きました。『孤独のグルメ』に出てきそうな味のある店構えでした。

探偵は男女2名1組で行動します。この店に女性が入るのは不自然なので、男性探偵が「営業ついでにふらっと来ました」という様子で中を覗いてみると店主とその妻と、依頼者・和雄さんの妻は親しそうに話をしています。あんなにいつもむすっとしているのに、まるで別人。爆笑したり手を叩いたりしていました。

話の内容を総合すると、この洋食店の妻とは、大学の同級生。40年来の仲だそうで、仕事の事をはじめ、同級生のことについて、大声で楽しそうに話しています。家では全く話さないという和雄さんがこの様子を見たら、驚くのではないかと拝察。

妻は洋食店を出てからも街をさまよい続けた 次ページへ続きます】

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