関係が近いからこそ、実態が見えなくなる家族の問題。親は高齢化し、子や孫は成長して何らかの闇を抱えていく。愛憎が交差する関係だからこそ、核心が見えない。探偵・山村佳子は「ここ数年、肉親を対象とした調査が激増しています」と語る。この連載では、探偵調査でわかった「家族の真実」について、紹介していく。

***

今回の依頼者は、松本和雄さん(仮名・65歳)。横浜市内にある住宅街にある築30年の建売住宅に住んでいます。

和雄さんは、半年前に中堅システム会社での定年を迎えたばかり。現在は友人の会社を手伝っているとのことでした。

ゴルフ上手な人格者の夫は、妻との時間が欲しかった

和雄さんは胡麻塩頭の短髪がとても似合っており、ジャケットとパンツのスマートカジュアルな服装のとても素敵な男性です。礼儀正しく人柄がいい雰囲気がにじみ出ており、「このような人格者の方が、どのような相談だろう……」と心の中で思いました。

現在の仕事について伺うと、「大学の先輩の会社を手伝っています。」と言います。

和雄さんは人が良すぎて出世が遠のいてしまうようなタイプだと拝察。聞けば、本来なら会社の定年は60歳なのですが、特例として準役員待遇で会社に残されたのだそう。

「65歳になってもいて欲しいと社長から言われて……本当にありがたいのですが、週5勤務で終電になることもあり、私は酒が飲めるから接待もある。コロナ禍でも接待はありますからね。そして私はゴルフ部(名門大学)出身で、そもそもゴルフが大好きですし、一緒に回る方とも楽しくプレーできるんです。そうなると、土日もつぶれてしまいます。それで退職しました」

退職の背景には、コロナ禍で和雄さんの長女が出産したこともあった。

「娘も婿殿も働いている。孫の面倒を見て欲しいと頭を下げられ、家族の役に立ちたいと思ったことも大きいです。それに妻との時間も欲しかった。妻も私も仕事、仕事で特にこの15年くらいはデートも旅行も思うようにできなかった。それなのに、妻は私が定年して家にいるようになってから、ほとんど帰ってこなくなってしまったのです」

奥様は、5歳年下の60歳。奥様は妊娠・出産を経ても仕事を続けていましたが、子育てがある程度落ち着いた45歳のときに仕事に本格復帰。本格復帰と言うのは、24時間稼働の企業戦士として、バリバリ働くということ。

「妻は都内のインテリア関連会社で働いているのですが、私の何百倍も“昭和”ですからね。今はプロジェクトマネージャーで、コロナをものともせずに働いています」

ぱっと見、強そうな妻の性格は……次ページに続きます

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