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関係が近いからこそ、実態が見えなくなる家族の問題。親は高齢化し、子や孫は成長して何らかの闇を抱えていく。愛憎が交差する関係だからこそ、核心が見えない。探偵・山村佳子は「ここ数年、肉親を対象とした調査が激増しています」と語る。この連載では、探偵調査でわかった「家族の真実」について、紹介していく。

***

今回の依頼者は、食品加工会社を経営している鈴木玄一郎さん(仮名・70歳)。関東圏内にある食品加工会社の3代目社長です。3年前に経費の使い込みなどで会社を追放した息子(43歳)の調査依頼をされました。

【調査までの経緯は前編で】

夫の眉間に爪楊枝を投げつける妻

玄一郎さんは、2人の孫のことを心配しており、まずは息子さんの現住所を確定させました。これは、玄一郎さんの奥様に私達から連絡をして、教えていただいたのです。

奥様は夫と息子が仲たがいしていることに大変心を痛めており、「主人の言い分も、息子の言い分もわかるからこそ、どちらの味方にもつけない」とおっしゃっていました。

いただいた住所は、東京の郊外の賃貸住宅でした。

息子さんは仕事をしていなさそうなので、平日の早朝からマンションの前で張り込みを開始。すると、7時半にランドセルを背負い、制服を着た8歳の女の子と10歳の男の子とともに、家から出てきて、国産車に乗ります。最寄り駅までクルマで送ると、子ども2人は改札内に入って行きます。

その姿を見届けると、 息子さんは自宅に帰宅。

それから、午前10時に妻とともに家を出てきます。スタイルがよく、マスクをしていても美人だとわかる。かなりキツそうな印象の女性です。

2人はつかず離れずの距離感を保ちながら、近くのファミレスへ。どうやらお金のことを話しているらしく、深刻な表情をしていました。

驚いたのは、30分ほど話して、議論が過熱したあたりでしょうか。妻が眉間を狙って、爪楊枝を投げつけたのです。もし目に入ったら……と思うとゾッとします。息子がそんなことをされている様子を見たら、依頼者・玄一郎さんはどう思うのだろうか……と考えてしまいました。

それにしても、息子さんは3年前とは別人のようです。紺色で無地のスゥエットの上下を着て、体はだらしなくたるんでいる。お父様である依頼者・玄一郎さんのほうが若々しい。髪もひげも伸び放題で、寝ぐせもついている。

妻はコーヒーを1杯飲んだだけで、サッサと店から出て行ってしまう。

息子さんは、ビールと唐揚げを頼み、平日昼間から飲んでいる。このようすからも、妻との距離感が遠く、夫婦関係が良くないことがわかります。

探偵の経験から、子供の手前、取り繕ってはいるけれど、実は壊滅状態である夫婦関係に多いパターンなのです。

昼過ぎまでファミレスにおり、そこから図書館に移動。夕方まで時間をつぶして、子供たちを駅まで迎えに行ってから、外出。歌舞伎町にある謎めいたオフィスビルの中に入って行きました。

【息子は何をしようとしているのか……次ページに続きます】

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