関係が近いからこそ、実態が見えなくなる家族の問題。親は高齢化し、子や孫は成長して何らかの闇を抱えていく。愛憎が交差する関係だからこそ、核心が見えない。探偵・山村佳子は「ここ数年、肉親を対象とした調査が激増しています」と語る。この連載では、探偵調査でわかった「家族の真実」について、紹介していく。

***

生々しい証拠写真は撮らないで欲しい

今回の依頼者は佐藤恒夫さん(仮名・60歳)。上場企業に新卒から勤務し、管理部門に配属されているという佐藤さんは、品が良く優しそうな男性です。横浜中心部の高級住宅街にある一戸建てにお住まいです。代々ハマッ子だとおっしゃっていました。

恰幅が良く柔和な表情、頭髪は少々寂しくなっているものの、マスク越しでもわかる愛嬌がある表情に、明瞭な話し方。優等生がそのまま年齢を重ねたような印象の男性でした。

相談内容は奥様の浮気疑惑。3歳年下の奥様が、最近毎週末出かけて行っては、夜遅くまで帰ってこないことが続き、私たちに調査を依頼してくださいました。

「先に申し上げますが、私は離婚する気持ちは少しもありません。妻が浮気をしていたら、相手の男性に別れていただきたいと思いまして、その交渉用の調査書類を作っていただきたいのです。山村さんの調査についてのコラムを読むと、かなりきわどいところまでカメラに残すようですが、それは止めていただきたいのです」

確かに、私の調査の多くは慰謝料、養育費、財産分与など離婚交渉を優位に進めるために依頼されています。私たちは“法廷で勝てる、ぐうの音も出ないような証拠”を求めて、調査に心血を注いでいます。その中には、男女の関係を明瞭に撮影したものもありますので、恒夫さんはそこを心配されている様子でした。

私が「もちろん、もし、そういう場面に出くわしても、そこは撮影しませんよ」とお答えすると、「よかった」とホッとされていました。

恒夫さんの希望では、手をつないだり、ホテルに出入りするのは撮影OKで、その先のアクションはすべてカットしてほしいとのことでした。

「妻が“女”になっている写真を見たら、私は本当に耐えられない。なんというか、妻はすでに私の一部であり、家族なのです。私が娘や息子のそのような部分に立ち入りたくないのと同様に、家族の生々しい写真を直視するのは避けたい。私と妻はもう何十年も男と女の関係ではありませんが、大切なパートナーなのです」

【30代で1回、40代で2回、妻には浮気をした前歴があった。次ページに続きます】

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