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関係が近いからこそ、実態が見えなくなる家族の問題。親は高齢化し、子や孫は成長して何らかの闇を抱えていく。愛憎渦巻く関係だからこそ、核心が見えない。探偵・山村佳子は「ここ数年、肉親を対象とした調査が激増しています」と語る。この連載では、探偵調査でわかった「家族の真実」について、紹介していく。

***

今回の依頼者は、佐藤哲也さん(仮名・60歳・団体職員)。84歳になるお母様の様子がおかしいと私たちに調査を依頼。60歳くらいのダンディな男性が、実家に入り浸るのを依頼者・哲也さんの娘が発見。この男の正体を暴くのが、今回の調査の主目的です。

【その1はこちら

高齢者が集まる、謎の健康器具展示場

まずは、哲也さんの実母の行動から調査をすることにしました。埼玉県の通勤圏にある実家の前で、探偵カーで張り込み開始。哲也さんの実家はとにかく立派。大きな庭とガレージがありましたが、現在の庭は、雑草こそ生えていないものの、樹木は伸びて荒れ放題。クルマ3台は置けるであろうガレージには、ぶら下がり健康器具や、古めかしい幼児用自転車しか置かれていません。

朝8時から張り込み、10時に訪問介護のスタッフがやってきました。11時に介護士が出ていくと、11時30分にお母様が出てきます。

お母様は84歳と伺っていましたが、紫色のワンピースを着て、髪をしっかりセットしてメイクをしており若々しい。やや古風なビーズのハンドバッグを持って、背筋をスッと伸ばして駅の方に歩いていきます。

メインの通りから小道を曲がったところに、ぱっと見、それとはわからない喫茶店があり、そこに入っていきます。ここは「常連客以外は来るな」という雰囲気で、うっかり入ったら目立ちそう。かなり離れた場所から、店の中を望遠レンズで覗いていると、お母様含め男女のお年寄りがおり、楽しそうに笑っています。

カウンターの中には、50代後半でしょうか。グレイヘアの大柄な女性が、コーヒーを淹れています。おそらく、この店のオーナーなのでしょう。

結局、お母様はこのお店に3時間滞在していました。ここには、男女問わずお年寄りが立ち寄っており、それぞれが長話をして帰って行きます。おそらく、ここはサロンのような存在なのでしょう。

店から出てきたお母様を追うと、ある健康器具の展示場に入っていきます。ここは期間限定のお店のようで、またもお年寄りで顔見知りだらけ。探偵がうろうろしていると、目立ってしまう。そこで、かなり離れた場所のコインパーキングにクルマを停め、望遠カメラと小型モニターで監視をすることにしました。

ここに集まっているお年寄りは、健康機器を試しつつ、楽しそうに談笑している。有り余る時間をおしゃべりに使っているのか、いつまでも終わりなく話し続けています。高齢者の方の素行調査は根気が勝負。

変化があったのは、夕方5時頃にスーツを着た男性が入ってきたこと。そこにいた、3人の女性の高齢者が色めき立ったことは、望遠レンズ越しでもわかりました。女性たちはスーツの男性に、プレゼントや何かの包みを渡しており、お母様もお饅頭のようなものを渡していました。

それから1時間ほどして、展示販売のお店が閉店時間になり全員解散。お母様は足取り軽く自宅に帰り、その日の調査は終わり。

翌日も同じパターンの毎日でしたが、調査3日目、“訪問介護の人が来ない日”に、事態は大きく進展したのです。

近くのカフェで交わされた「財産狙い」の会話。次ページに続きます】

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