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取材・文/沢木文

親は「普通に育てたつもりなのに」と考えていても、子どもは「親のせいで不幸になった」ととらえる親子が増えている。本連載では、ロストジェネレーション世代(1970代~80年代前半生まれ)のロスジェネの子どもがいる親、もしくは当事者に話を伺い、 “8050問題” へつながる家族の貧困と親子問題の根幹を探っていく。

* * *

お話を伺ったのは、東京都江東区在住の佐藤洋子さん(仮名・70歳)。陽子さんの生活が一変したのは、1年前。現在35歳の息子の離婚だ。あろうことか息子は、3歳の娘を連れて実家に戻ってきた。現在、洋子さんは孫娘の世話に追われている。

【その1はこちら

嫁は職場不倫、息子の借金発覚

なぜ、息子夫婦は離婚してしまったのだろうか。

「嫁の浮気。美容師として勤務したサロンで、先輩美容師と深い仲になり、その人の子供を腹に宿したので、離婚したいと言ってきたとか。動物じゃないんだから、何を考えているんだと思います」

息子は離婚に応じることにしたが、浪費家な嫁と3年間の結婚生活を送っていたために、貯金がないどころか、消費者金融に200万円の借金を作っていた。

「まさかこんなことになるとは思っていませんでした。孫娘を嫁に引き取ってもらえと命令したら、息子は“義理の父は連れ子を虐待する”と言い、頑として自分が引き取ると譲らない。当時、連れ子への虐待や、無責任な親により、子供が落命するニュースが多く、私もゾッとした。それに、離婚にあたり、息子夫婦の家に行ったら、恐ろしいほどの汚部屋だったんです。孫娘はガリガリに表情も少なく虫歯だらけ。そんな姿を見たら、引き取るしかないと思いました」

無責任な息子への怒り、3歳児の世話はとにかく大変だった。

「保育園入園も大変で、入ったら入ったで、送り迎えもあり体力的にホントにきつい。子育てって、若くないとできませんよ。責任ある仕事をしている娘に頼るわけにもいかない。お金の問題もあり、夫の遺産を使い、息子の借金を清算。バカ息子と嫁が何も動かないから、結婚していた家を片付けたのも私。時間がないから業者に汚部屋を清掃してもらったら60万円もかかりました。もちろん、敷金の20万円は私がいただきましたが、40万円の赤字が出た」

嫁側の親は九州に住んでいて、結婚式のときに会ったきり。いわゆる“ヤンキー”という人。

「嫁は5人きょうだいの3番目で、全く構われていなかった。だから、孫娘を嫁の実家に預けるという選択肢はない。娘からも“あまりあいつを甘やかさない方がいいよ。お父さんと似ているクズだから”と言われるし。もう八方ふさがり」

【悠々自適でお金に余裕がある生活は、終わってしまった。次ページに続きます】

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