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取材・文/沢木文

親は「普通に育てたつもりなのに」と考えていても、子どもは「親のせいで不幸になった」ととらえる親子が増えている。本連載では、ロストジェネレーション世代(1970代~80年代前半生まれ)のロスジェネの子どもがいる親、もしくは当事者に話を伺い、 “8050問題” へつながる家族の貧困と親子問題の根幹を探っていく。

* * *

息子が離婚、3歳の娘を連れて出戻る

お話を伺ったのは、東京都江東区在住の佐藤洋子さん(仮名・70歳)。陽子さんの生活が一変したのは、1年前。2歳年上の夫は他界しているという。そもそもの結婚生活を伺った。

「夫は今でいう“モラハラ”夫。私はずっと独身で生活したかったのに、親にむりやり見合いさせられて、30歳の時に結婚。夫は2歳年上の公務員で、パッとしない印象だったのに、とんでもない男尊女卑思想の持ち主だった。私は専業主婦にさせられて、気に入らないと暴力を振るわれた。さらに夫はケチで外食もほとんどできない。苦痛だらけの結婚生活でした」

そんな夫が洋子さんにした最大の“いいこと”は、66歳の時に心筋梗塞でぽっくりと死んだこと。

「夫も退職後、家にいるのが苦痛だったんでしょうね。再雇用されて、65歳まで働いた。それが定年になった翌年に、風呂場で倒れてそのまま死んだ。家で死ぬと、警察が来るんですよ。あれこれ終わってホッとしたら1年が経っていた。それから、それまで押さえつけられていた分、羽を伸ばして、のびのびと楽しく生きていたんです」

洋子さんは夫から働くことを禁止されていた。「お前みたいなバカが働いたら社会に迷惑をかけるだけだ」とまで言われたという。

「そんなことはないと思った。だから、夫が死んだら仕事を始めようと決意していたんです。私は都心で働きたかったので、あるファストフードでアルバイトを始めたんです。最初は泣きながら仕事を覚えましたが、勤務から半年でバイトリーダーに昇格したんです。仕事が楽しくて、土日でも出勤し、子育て中の人をサポートしたりして、ホントに感謝されていたんです。時給ですが、給料も15万円以上もらっていました。1年前までは、本当に楽しかったんです」

生活が一変したのは、1年前。当時34歳の息子が3歳の女の子を連れて離婚し、出戻ってきたこと。

【結婚に大反対した嫁にそっくりな孫娘。次ページに続きます】

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