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取材・文/沢木文

結婚25年の銀婚式を迎えるころに、夫にとって妻は“自分の分身”になっている。本連載では、『不倫女子のリアル』(小学館新書)などの著書がある沢木文が、妻の秘密を知り、“それまでの”妻との別れを経験した男性にインタビューし、彼らの悲しみの本質をひも解いていく。

* * *

35歳の歯科医と19歳の短大生の出会い

お話を伺ったのは、畠山義幸さん(仮名・65歳・歯科医院経営)。16歳年下の恋人であり仕事のパートナーだった女性がコロナ禍を機に義幸さんのところを去って行った。

「妻以上の存在だったんだよね。彼女と出会ったのが、私が35歳のとき。それまで勤務していた歯科医院から独立したタイミングだった。僕と同じ年のベテランの歯科衛生士さん2人が来てくれたんだけど、この2人が怖いのなんのって。歯科助手兼事務員として雇った人を、みんな追い出してしまう。歯科衛生士さん2人の腕はいいし、患者さんがついているから、この2人をクビにするわけにはいかない。開業当初は、3人で手分けして事務作業をして、器具の消毒作業をして、DMを出して……とへとへとになっても楽しかった。若いっていいよね」

金をかけて求人しても、すぐに辞められてしまう。困り果てた3か月目に、友人が紹介してきたのが彼女だった。

「当時の彼女は、短期大学卒業間近の19歳だった。背が低くてぽっちゃりしていてかわいかった。動物で言うならウサギみたいな感じ。普段はびくびくしているくせに、ハッとするほどふてぶてしいこともあり、この子ならあのうるさいお姉様方ともうまくやれると思った」

彼女は義幸さんの読み通り、ベテラン衛生士とうまくやっていった。

「この2人が何かと差別意識を持って人と接する女性たちで、手に職があることをアピールしていた。何かと優劣にこだわり、選民意識を持っていた。それなのに、若さとかわいさにはコンプレックスがあった。客に対しては人当たりはいいけれど、中に入ってくると攻撃してくる。まあ厄介な人たちなんだけれど、彼女はうまくやったんだよ」

“先生”であり“男性”である義幸さんと患者に対してはにこやかに接する。

「ホントに彼女たちは身内に対して意地悪なんだ。心に“意地悪”という名前の油田があって、そこから出る油を、きまぐれに人にかけるんだよね。まあ、こういう女性は仕事がデキでミスがない。なんとかうまくやってほしいと祈っていたら、彼女は上手く取り入って、上手にクリニックを回し始めたんだよ。」

【次ページに続きます】

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