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夏目漱石、新聞連載小説のバトンを徳田秋声に託す。【日めくり漱石/8月9日】

3 夏目漱石 2

今から101 年前の今日、すなわち大正4年(1915)8月9日の昼下がり、48歳の漱石は東京・早稲田南町の自宅書斎で徳田秋声宛ての手紙をしたためていた。

《私のつぎに朝日へ載せる小説の御執筆を御願致した処(ところ)早速御引受下さいまして有り難う存じます…》

秋声は、いま漱石が朝日新聞に連載中の小説『道草』のあとを引き継いで、次の連載小説を書くことで話がまとまっていた。

ただ、小説の中身のことがひっかかっていた。

秋声の側には、ある娼妓の一代記のようなものを書きたいという思いがある。これに対し、そうした内容は新聞にはあまりふさわしくないのではないかという意見が、朝日新聞の編集部の中になんとなく蟠(わだかま)っていた。6月の末頃から漱石が仲立ちして、朝日と秋声との間を調整していたが、どうもすっきりしないまま時が経過する。

そうこうするうち、いよいよ最終の確認をするような段階に入っていた。次の連載小説の掲載が始まるのは9月半ば頃。そのためには、8月中にある程度まとまった原稿を、秋声に上げておいてもらう必要があったのである。

漱石は両者の溝を埋めるため、朝日新聞へ電話をかけ、責任者の山本松之助に思うところを率直にぶつけた。

「社では、例の穏健主義で、娼妓の一代記のようなものはあまり歓迎しないようにも聞こえていますが、人間として意味のある叙述をするなら、華族や上流階級を種にして下劣なことを書くよりよほど立派だらうと、私などは考えますが、いかがですか?」

漱石から、ずばりそう切り込まれると、反論の余地はない。山本松之助は漱石の意見を諒とした上で、

「ただ、新聞社の社会的立場と責任ということもありますから、そこのところだけご承知していただいて」

と付け加えるのだった。

漱石はそんなやりとりを、そのまま秋声への手紙の中にも綴り、そろそろ執筆にかかってもらえるよう依頼していく。こんな言葉も、忘れずに言い添えて。

《私は他人の意志を束縛して芸術上の作物を出してくれという馬鹿な事はしたくありませんから、万一余程の程度に御趣向を御曲げにならなければ前申した女の一代記が書きにくい様なら「かび」の続篇でも何でも外のものを御書きにならん事を希望致すのです》

「かび」とは、秋声がこの5年前に東京朝日新聞に連載した小説『黴』のこと。自身の身辺に取材した、笹村という名の作家を主人公とした物語である。先に朝日に連載したものの続篇なら、編集部から何の文句も出てこないだろうという意を含んでの助言だった。

いずれにしろ、漱石は、無闇に自粛して表現の幅を狭めることなく、できるだけ書き手の意志は尊重すべきだと考えていた。秋声もそれに応え、当初考えていた通りの構想を貫いていくことになる。

■今日の漱石「心の言葉」

人間を知るという上において、そうした作物は私の参考になるんだから(『書簡』大正4年8月9日より)

夏目漱石肖指定画像(神奈川近代文学館)720_141-02a

夏目漱石(1867~1916)江戸生まれ。帝国大学文科大学(現・東京大学)英文科卒。英国留学、東京帝大講師を経て、朝日新聞の専属作家に。数々の名作を紡ぐ傍ら、多くの門弟を育てた。代表作『吾輩は猫である』『坊っちやん』『三四郎』『門』『こころ』など。家庭では鏡子夫人との間に7人の子を儲けた。写真/県立神奈川近代文学館所蔵

Web版「夏目漱石デジタル文学館
夏目漱石に関する資料を数多く所蔵する県立神奈川近代文学館。同館のサイトに特設されている「Web版 夏目漱石デジタル文学館」では、漱石自筆の原稿や手紙、遺愛品、写真など漱石にまつわる貴重な資料画像を解説付きで公開しています。

県立神奈川近代文学館
住所/横浜市中区山手町110
TEL/ 045-622-6666
休館/月曜
神奈川近代文学館の公式サイトはこちら

神奈川近代文学館外観_2

横浜港を一望できる緑豊かな「港の見える丘公園」の一画、横浜ベイブリッジを見下ろす高台に立つ神奈川近代文学館。夏目漱石に関する資料を多数所蔵する。

文/矢島裕紀彦
1957年東京生まれ。ノンフィクション作家。文学、スポーツなど様々のジャンルで人間の足跡を追う。著書に『心を癒す漱石の手紙』(小学館文庫)『漱石「こころ」の言葉』(文春新書)『文士の逸品』(文藝春秋)『ウイスキー粋人列伝』(文春新書)『こぼれ落ちた一球 桑田真澄、明日へのダイビング』(日本テレビ)『石橋を叩いて豹変せよ 川上哲治V9巨人軍は生きている』(NHK出版)など多数。最新刊に、『夏目漱石 100の言葉』(監修/宝島社)がある。

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