新着記事

エイシンガのプラネタリウム

天文学者の自宅に作られた世界最古のプラネタリウム(オランダ)

弁護士・司法書士・税理士への報酬は高い?「相続」にかかる費用の実状

【義家族との間】夫の嫌いな部分はすべて義父譲り。どこでもタバコを吸う、マナーが悪い義父を生理的に受け付けない~その2~

【義家族との間】夫の嫌いな部分はすべて義父譲り。どこでもタバコを吸う、マナーが悪い義父を生理的に受け付けない~その1~

疲れがとれないのは加齢のせいではない!?|『疲れがとれない原因は副腎が9割』

いくら寝てもとれない疲れ。その原因は「副腎」が9割!

今川義元と桶狭間の戦い~凡将にあらず【にっぽん歴史夜話28】

今川義元と桶狭間の戦い~凡将にあらず【にっぽん歴史夜話28】

「9月入学、8月卒業」は本当? アメリカモデルから解く「秋に始まる学校」制度【異文化リテラシー レッスン10】

「9月入学、8月卒業」は本当? アメリカモデルから解く「秋に始まる学校」制度【異文化リテラシー レッスン10】

おこもり生活に役立つアプリ「radiko」の使い方【スマホ基本のき 第20回】

生活費が足りない、借金返済の場合は嘘をつく、親にお金を借りる理由

衝動的に東海道新幹線に飛び乗ってでかけたくなる、ニッチな一冊|『名古屋の酒場』

飲み屋が少ない、そもそも酒に弱い、知られざる「名古屋の酒場」事情

通販別冊『大人の逸品』最新号はこちら

LINE公式アカウントでも記事を配信中

友だち追加

お気軽に友達追加してください

サライ本誌最新号(クリックで試し読み)

ピックアップ記事

  1. 大開口窓は開放感が得られると同時に、季節ごとの光と風を取り込むことができる。芝生は建物周辺の温度を下げることが期待でき、庭木は夏の日差しを和らげる効果がある。
  2. 勾配天井により天井高は最高4mを実現。1階と1.5階がゆるく繋がることで、人の気配を感じながら、個室で過ごす感覚が楽しめる。
  3. 居室は35~75平方メートル、と広めに設定され、多彩なタイプが用意される。高齢者の暮らしやすさに配慮した設計が特徴だ。写真は66平方メートルの部屋。

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

サライ7月号付録「筋トレチューブ」トレーニング動画公開中!

趣味・教養

夏目漱石、朝刊の連載小説に誤植を見つけ思わず渋い顔になる。【日めくり漱石/7月9日】

3 夏目漱石 2

今から102 年前の今日、すなわち大正3年(1914)7月9日の東京朝日新聞には、漱石の連載小説『心』の第77回の稿が掲載されていた。朝起きてまもなく、その冒頭部分を読んで、漱石はちょっと不快な気持ちになった。漱石は原稿に、

《私の座敷には控えの間というような》

と書いたはずなのに、紙面には、

《先生の座敷には…》

と印刷されていたのである。

0709_1

小説『心』は大正3年4月から8月まで朝日新聞に連載され、9月に岩波書店から単行本が刊行された。岩波書店の創業者・岩波茂雄は漱石の門下生のひとり。古本屋から出版業への転換を企図していた時期で、漱石はほとんど自費出版の形で『心』を刊行した。神奈川近代文学館所蔵

小説『心』は大正3年4月から8月まで朝日新聞に連載され、9月に岩波書店から単行本が刊行された。岩波書店の創業者・岩波茂雄は漱石の門下生のひとり。古本屋から出版業への転換を企図していた時期で、漱石はほとんど自費出版の形で『心』を刊行した。神奈川近代文学館所蔵

4月から連載しているこの小説では、これまでも、校正の不備で「てにをは」の間違いや文字の誤植が多いのが漱石の気になっていた。わざわざ言い立てるのも大人げないと思い黙過していたが、今回の間違いは、主語が入れ代わってしまったため、まったくトンチンカンで意味が通じなくなってしまう。なんだか、自分の書いている小説が、編集部内で粗末に扱われているような気さえしてくるのだった。

漱石はたまりかねて、編集担当者である山本笑月に電話をかけた。が、あいにくどこかへ旅行に出ていて、帰京は3、4日あとになるという話だった。ほおっておくわけにいかず、漱石は編集長の佐藤北江あてに一筆したためることにした。佐藤北江は名編集長といわれた人で、岩手の出身。同郷の後輩・石川啄木の朝日入社にもひと役買っている。

さて、その手紙。

《拝啓 小生小説「心」の校正につき一寸(ちょっと)申上げます。校正者は無暗(むやみ)にてにをはを改め意味を不通にする事があります。(略)向後の校正にもう少し責任を帯びてやるように、そのかかりのものに御注意を願います。あれ以上出来ないならやむを得ませんからゲラを小生の方へ一応御廻送を願います。小生の書いたものは新聞として大事でなくとも小生には大事であります。小生は読者に対する義務をもっております》

自分は、執筆者として全身全霊をかけて書いている。こんな調子で、編集部内でしっかり校正できないようなら、念のため校正ゲラを自分の方にも回してもらいたいと要望したのである。

北江がすぐに適宜な対応をして係の者に厳しく注意を与え、漱石に返事を出したのは言うまでもない。漱石先生も、それで納得し気持ちが落ち着いたのだった。

■今日の漱石「心の言葉」
文は作らざるべからず。書は読まざるべからず。御馳走は食わざるべからず。人生多事(『書簡』明治39年6月23日より)

夏目漱石肖指定画像(神奈川近代文学館)720_141-02a

夏目漱石(1867~1916)江戸生まれ。帝国大学文科大学(現・東京大学)英文科卒。英国留学、東京帝大講師を経て、朝日新聞の専属作家に。数々の名作を紡ぐ傍ら、多くの門弟を育てた。代表作『吾輩は猫である』『坊っちやん』『三四郎』『門』『こころ』など。家庭では鏡子夫人との間に7人の子を儲けた。写真/県立神奈川近代文学館所蔵

Web版「夏目漱石デジタル文学館
夏目漱石に関する資料を数多く所蔵する県立神奈川近代文学館。同館のサイトに特設されている「Web版 夏目漱石デジタル文学館」では、漱石自筆の原稿や手紙、遺愛品、写真など漱石にまつわる貴重な資料画像を解説付きで公開しています。

県立神奈川近代文学館
住所/横浜市中区山手町110
TEL/ 045-622-6666
休館/月曜
神奈川近代文学館の公式サイトはこちら

神奈川近代文学館外観_2

横浜港を一望できる緑豊かな「港の見える丘公園」の一画、横浜ベイブリッジを見下ろす高台に立つ神奈川近代文学館。夏目漱石に関する資料を多数所蔵する。

文/矢島裕紀彦
1957年東京生まれ。ノンフィクション作家。文学、スポーツなど様々のジャンルで人間の足跡を追う。著書に『心を癒す漱石の手紙』(小学館文庫)『漱石「こころ」の言葉』(文春新書)『文士の逸品』(文藝春秋)『ウイスキー粋人列伝』(文春新書)『こぼれ落ちた一球 桑田真澄、明日へのダイビング』(日本テレビ)『石橋を叩いて豹変せよ 川上哲治V9巨人軍は生きている』(NHK出版)など多数。

「日めくり漱石」の記事一覧へ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

PAGE TOP