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夏目漱石、『吾輩は猫である』の原稿料で念願のパナマ帽を買う。【日めくり漱石/7月2日】

3 夏目漱石 2

今から111 年前の今日、すなわち明治38年(1905)7月2日、38歳の漱石は東京・本郷で念願のパナマ帽を購入した。もともとがお洒落な漱石先生。夏を迎え「帽子がほしい」と思っているところへ、『吾輩は猫である』の稿料15円が入った。そこで奮発して、稿料をそっくりそのまま帽子の代金に充てたのであった。

パナマ帽は、南米エクアドル産のトキリャ草という草を編んで作った夏用の帽子。パナマ港から出荷されたため、その名がついたとも言われている。形状も優美で上品、被り具合もよい。その上、肌理(きめ)の細かい草で編まれているため、簡単に折り畳んで鞄や懐の中にしまうことができた。この頃、上流紳士の間では、もっとも人気のある夏帽子であった。

漱石先生、ちょっと得意になって、門弟の野村伝四へこんな葉書をしたためた。

《一 パナマ製夏帽一

右者(みぎは)本日、本郷唐物店にて相求め、爾後(じご)カブッテあるき候間(そろあいだ)御驚きにならぬよう致したく、右御届け及び候なり》

お気に入りのパナマ帽を手に入れた、今日からかぶって歩くことにするから、驚くなよ、という宣言なのである。

手紙文中、「本郷の唐物店」というのは、いまも本郷三丁目の交差点付近で営業を続ける老舗洋品雑貨店「かねやす」のことをいったのかもしれない。「かねやす」は小説『三四郎』にも登場する。

すでに江戸時代にはその場所にあり、「本郷もかねやすまでは江戸の内」という古川柳でも知られる。江戸期享保年間の大火のあとの復興で、かねやすから南側は耐火のため土蔵づくりとし、屋根も茅葺きでなく瓦葺きとするよう求められた。その北側は相変わらず板づくり、茅葺き屋根の家々が並んでいたため、見た目の印象から、かねやすまでが「江戸の内」で、そこから北側は「江戸の外」のように受けとめられたのだ。実際の境界線を示す「朱引」は、もっと北側に引かれていたという。

さて、パナマ帽を手に入れ上機嫌の漱石先生だったが、数日後、思わぬカウンターパンチを浴びる。南京の師範学校へ赴任している友人の菅虎雄が夏休みで帰京し、漱石のもとへ遊びにきた。その時さりげなく被ってきたのがパナマ帽。しかも、よく見ると、漱石自慢のものより一段と上等な品なのである。

「こりゃあ、1枚50銭の原稿を書いているより中国へ出稼ぎに出た方が得策ということだな」

漱石先生、半ば嘆息しながら、そんな言葉を呟くのだった。

■今日の漱石「心の言葉」

奥さんこの帽子は重宝ですよ、どうでも言うことをききますからね(『吾輩は猫である』より)

 

(写真・かねやす)

東京・文京区の本郷3丁目交差点近くには、現在も「かねやす」が営業を続ける。ビルの壁には「本郷もかねやすまでは江戸の内」の川柳を見ることができる。

 

 

夏目漱石肖指定画像(神奈川近代文学館)720_141-02a

夏目漱石(1867~1916)江戸生まれ。帝国大学文科大学(現・東京大学)英文科卒。英国留学、東京帝大講師を経て、朝日新聞の専属作家に。数々の名作を紡ぐ傍ら、多くの門弟を育てた。代表作『吾輩は猫である』『坊っちやん』『三四郎』『門』『こころ』など。家庭では鏡子夫人との間に7人の子を儲けた。写真/県立神奈川近代文学館所蔵

Web版「夏目漱石デジタル文学館
夏目漱石に関する資料を数多く所蔵する県立神奈川近代文学館。同館のサイトに特設されている「Web版 夏目漱石デジタル文学館」では、漱石自筆の原稿や手紙、遺愛品、写真など漱石にまつわる貴重な資料画像を解説付きで公開しています。

県立神奈川近代文学館
住所/横浜市中区山手町110
TEL/ 045-622-6666
休館/月曜
神奈川近代文学館の公式サイトはこちら

神奈川近代文学館外観_2

横浜港を一望できる緑豊かな「港の見える丘公園」の一画、横浜ベイブリッジを見下ろす高台に立つ神奈川近代文学館。夏目漱石に関する資料を多数所蔵する。

文/矢島裕紀彦
1957年東京生まれ。ノンフィクション作家。文学、スポーツなど様々のジャンルで人間の足跡を追う。著書に『心を癒す漱石の手紙』(小学館文庫)『漱石「こころ」の言葉』(文春新書)『文士の逸品』(文藝春秋)『ウイスキー粋人列伝』(文春新書)『こぼれ落ちた一球 桑田真澄、明日へのダイビング』(日本テレビ)『石橋を叩いて豹変せよ 川上哲治V9巨人軍は生きている』(NHK出版)など多数。

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