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夏目漱石、初の新聞連載『虞美人草』の取材で荒川堤を散策する。【日めくり漱石/4月28日】

『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『こころ』…数々の名作を世に残した文豪・夏目漱石が没して今年でちょうど100年。漱石は小説、評論、英文学など多分野で活躍する一方、慈愛に富んだ人間味あふれる紳士でもありました。そんな漱石の「日常」を辿りながら文豪の素顔が見える逸話を取り上げ、小説、随筆、日記、書簡などに綴った「心の言葉」とともにお届けします。


■今日の漱石「心の言葉」

人間は道に従うよりほかに、やりようのないものだ(『野分』より)

朝日新聞社入りして初めて手がけた小説が『虞美人草』であった。写真/県立神奈川近代文学館所蔵

朝日新聞社入りして初めて手がけた小説が『虞美人草』であった。装幀は橋口五葉、明治41年に春陽堂が発行。写真/県立神奈川近代文学館所蔵


【1907年4月28日の漱石】

今から109 年前の今日、明治40年(1907)4月28日、40歳の漱石は荒川堤を歩きながら、目にした印象に残るものを手帳にメモしていた。

《かやの原。野うるし。馬の足形(金平糖)。桜草。擬宝珠(ぎぼし)。原の遠景。白帆。遠くの森の若葉ニ微茫たる光線。(略)荒川堤の桜》

この頃の漱石は、近く執筆を始める連載小説のことが、つねに頭の中を占領していた。いつの日か原稿を書くことだけに没頭したいと願っていた漱石は、教職を辞して東京朝日新聞社入りすることがすでに内定していた。新聞社入りといっても毎日出社する義務はなく、自宅の書斎で新聞に掲載する小説や評論を書くのが仕事。入社発表後は、間をおかず初仕事として、新聞紙上に連載小説を執筆していく手はずとなっている。

文壇デビュー作『吾輩は猫である』の初回原稿の発表から、すでに2年余りが経過している。『坊っちゃん』や『草枕』も書き、すでに漱石の文名は高かった。

それでも、これから筆一本で生きていく以上、漱石は新たに処女作を書くような意気込みで、日常からさまざまな素材を集めながら、少しずつ構想を練っているのであった。

その意気込みは、漱石が朝日新聞に入社するにあたって発表した次のような一文にもよくあらわれている。

《大学を辞して朝日新聞にはいったら逢う人が驚いた顔をしている。(略)大学屋が商売ならば新聞屋も商売である。(略)人生意気に感ずとか何とかいう。変わりものの余を変わりものに適するような境遇に置いてくれた朝日新聞のために、変わりものとして出来得る限りを尽くすのは余の嬉しき義務である》(『入社の辞』)

さて、この日の印象と手帳のメモは、後日、『虞美人草』の中の、宗近(むねちか)兄妹のこんな会話に生かされていくことになる。

「もう花は散って仕舞ったじゃありませんか。今時分御花見だなんて」

「いえ、上野や向島(むこうじま)は駄目だが荒川は今が盛りだよ。荒川から萱野へ行って桜草を取って王子へ廻って汽車で帰ってくる」

時期遅れの花見にふさわしい場所として「荒川」を挙げ、「桜草」をも配する洒落っけは、漱石先生自身の現地取材による実体験から捻り出されていたのである。

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夏目漱石(1867~1916)江戸生まれ。帝国大学文科大学(現・東京大学)英文科卒。英国留学、東京帝大講師を経て、朝日新聞の専属作家に。数々の名作を紡ぐ傍ら、多くの門弟を育てた。代表作『吾輩は猫である』『坊っちやん』『三四郎』『門』『こころ』など。家庭では鏡子夫人との間に7人の子を儲けた。写真/県立神奈川近代文学館所蔵

 

特別展「100年目に出会う 夏目漱石」
夏目漱石に関する資料を数多く所蔵する県立神奈川近代文学館では、漱石没後100年を記念して文豪の作品世界と生涯を展覧する特別展「100年目に出会う 夏目漱石」を開催中。会期は2016年5月22日(日)まで、開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)、観覧料は700円。

県立神奈川近代文学館
住所/横浜市中区山手町110
TEL/ 045-622-6666
休館/月曜(5月2日は開館)
神奈川近代文学館の公式サイトはこちら

神奈川近代文学館外観_2

横浜港を一望できる緑豊かな「港の見える丘公園」の一画、横浜ベイブリッジを見下ろす高台に立つ神奈川近代文学館。夏目漱石に関する資料を多数所蔵する。

     
文/矢島裕紀彦 
1957年東京生まれ。ノンフィクション作家。文学、スポーツなど様々のジャンルで人間の足跡を追う。著書に『心を癒す漱石の手紙』(小学館文庫)『漱石「こころ」の言葉』(文春新書)『文士の逸品』(文藝春秋)『ウイスキー粋人列伝』(文春新書)『こぼれ落ちた一球 桑田真澄、明日へのダイビング』(日本テレビ)『石橋を叩いて豹変せよ 川上哲治V9巨人軍は生きている』(NHK出版)など多数。

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