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夏目漱石、随筆『硝子戸の中』を書き上げ突飛なことを思い立つ。【日めくり漱石/2月14日】

『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『こころ』…数々の名作を世に残した文豪・夏目漱石が没して今年でちょうど100年。漱石は小説、評論、英文学など多分野で活躍する一方、慈愛に富んだ人間味あふれる紳士でもありました。そんな漱石の「日常」を辿りながら文豪の素顔が見える逸話を取り上げ、小説、随筆、日記、書簡などに綴った「心の言葉」とともに毎日お届けします。


■今日の漱石「心の言葉」

菫(すみれ)程(ほど)な小さき人に生まれたし(『俳句』より)

漱石が愛用した紫檀の文机。大きさは縦420 ×横751 ×高さ 304(・)。この机上から数々の名作が生まれた。写真/神奈川近代文学館

漱石が愛用した紫檀の文机。大きさは縦420 ×横751 ×高さ 304(cm)。この机上から数々の名作が生まれた。写真/県立神奈川近代文学館所蔵


【1915年2月14日の漱石】

漱石は留学先のロンドンから帰国して以来、朝はパン食を基本としていた。今から101年前の今日、すなわち大正4年(1915)2月14日も、朝7時15分過ぎに起きて、トーストと牛乳と半熟卵の朝食をとった。漱石がともすると世間で誤り伝えられるような西洋嫌い一辺倒ではなかったことが、この朝食からもうかがえる。ふたりの息子にも、早くから語学教育をほどこしていた。

裏庭に出てみると、3人の娘が、炭俵を燃やして威勢よく火が上がっているそばで暖をとっていた。

「そんなに焚き火に当たると顔が真っ黒になるよ」
漱石が言うと、末娘の愛子が、「いやあだ」と応じた。

数え49歳の父・漱石と11歳の娘の、他愛のないやりとりだった。

庭木の中で、ウグイスが鳴き声を上げていた。鳴きはじめのウグイスの声は笹鳴きといい、聞いていると、嬉しながらも気恥ずかしくなるような未熟さを持ち合わせている。まだ冬だ冬だ、と思っているうちに春が近づいているのが感じられ、漱石は縁側に愛用の紫檀(したん)の文机を持ち出して、日当たりのいい欄干に身をもたせながら、もの思いにふけるのだった。

早春の風が鉢植えの九花蘭(きゅうからん)の長い葉をゆすり、猫が日だまりで眠っている。さっきまでゴム風船を上げて騒いでいた子供たちは、連れ立って映画館に出かけていった。

漱石は静かな春の陽光に包まれた中で、40日余り書き続けてきた『硝子戸の中』の稿を終えていった。

「小さくなって懐手(ふところで)して暮らしたい」という漱石先生の願いを絵にしたような、ある日曜日の光景であった。

夏目漱石(1867~1916)江戸生まれ。帝国大学文科大学(現・東京大学)英文科卒。英国留学、東京帝大講師を経て、朝日新聞の専属作家に。数々の名作を紡ぐ傍ら、多くの門弟を育てた。代表作『吾輩は猫である』『坊っちやん』『三四郎』『門』『こころ』など。家庭では鏡子夫人との間に7人の子を儲けた。写真/県立神奈川近代文学館所蔵

夏目漱石(1867~1916)江戸生まれ。帝国大学文科大学(現・東京大学)英文科卒。英国留学、東京帝大講師を経て、朝日新聞の専属作家に。数々の名作を紡ぐ傍ら、多くの門弟を育てた。代表作『吾輩は猫である』『坊っちやん』『三四郎』『門』『こころ』など。家庭では鏡子夫人との間に7人の子を儲けた。写真/県立神奈川近代文学館所蔵

 
夏目漱石に関する資料を数多く所蔵する県立神奈川近代文学館は、漱石没後100年を記念して文豪の作品世界と生涯を展覧する特別展「100年目に出会う 夏目漱石」を開催する。会期は2016年3月26日(土)~5月22日(日)、開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)、観覧料は700円。

県立神奈川近代文学館
住所/横浜市中区山手町110
TEL/ 045-622-6666
休館/月曜(5月2日は開館)
神奈川近代文学館の公式サイトはこちら

神奈川近代文学館外観_2

横浜港を一望できる緑豊かな「港の見える丘公園」の一画、横浜ベイブリッジを見下ろす高台に立つ神奈川近代文学館。夏目漱石に関する資料を多数所蔵する。

 文/矢島裕紀彦 
1957年東京生まれ。ノンフィクション作家。文学、スポーツなど様々のジャンルで人間の足跡を追う。著書に『心を癒す漱石の手紙』『漱石「こころ」の言葉』『文士の逸品』『石橋を叩いて豹変せよ』など。

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