新着記事

「9月入学、8月卒業」は本当? アメリカモデルから解く「秋に始まる学校」制度【異文化リテラシー レッスン10】

「9月入学、8月卒業」は本当? アメリカモデルから解く「秋に始まる学校」制度【異文化リテラシー レッスン10】

おこもり生活に役立つアプリ「radiko」の使い方【スマホ基本のき 第20回】

生活費が足りない、借金返済の場合は嘘をつく、親にお金を借りる理由

衝動的に東海道新幹線に飛び乗ってでかけたくなる、ニッチな一冊|『名古屋の酒場』

飲み屋が少ない、そもそも酒に弱い、知られざる「名古屋の酒場」事情

毎日出勤しても仕事が無い…「社内失業者」にならないために必要なこと

【ビジネスの極意】名門会社を失った、40代で働き盛りだった三代目の失敗から学ぶこと

【ビジネスの極意】名門会社を失った、40代で働き盛りだった三代目の失敗から学ぶこと

年収1000万円以上の保護者が子どもにしている「マネー教育」の中身

PTA活動はみんなやりたくない? 年齢別にみると明らかな結果が。生の声をそのまま公開します!

ボスママ、マウント、利権争い、「PTA活動」参加したくない意外な理由

マスク焼けが気になる今年。「日焼け止め」を塗るべきか、塗らざるべきか|薬を使わない薬剤師 宇多川久美子のお薬講座【第27回】

マスク焼けが気になる今年。「日焼け止め」を塗るべきか、塗らざるべきか|薬を使わない薬剤師 宇多川久美子のお薬講座【第27回】

『Norman Granz' Jazz At The Philharmonic Vol.6』

「好き勝手」を楽しむ ジャム・セッションの聴き方【ジャズを聴く技術 〜ジャズ「プロ・リスナー」への道56】

通販別冊『大人の逸品』最新号はこちら

LINE公式アカウントでも記事を配信中

友だち追加

お気軽に友達追加してください

サライ本誌最新号(クリックで試し読み)

ピックアップ記事

  1. 大開口窓は開放感が得られると同時に、季節ごとの光と風を取り込むことができる。芝生は建物周辺の温度を下げることが期待でき、庭木は夏の日差しを和らげる効果がある。
  2. 勾配天井により天井高は最高4mを実現。1階と1.5階がゆるく繋がることで、人の気配を感じながら、個室で過ごす感覚が楽しめる。
  3. 居室は35~75平方メートル、と広めに設定され、多彩なタイプが用意される。高齢者の暮らしやすさに配慮した設計が特徴だ。写真は66平方メートルの部屋。

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

サライ7月号付録「筋トレチューブ」トレーニング動画公開中!

趣味・教養

前田利家の妻・芳春院まつの知られざる素顔【にっぽん歴史夜話3】

文/砂原浩太朗(小説家)

加賀百万石の礎をきずいた武将・前田利家(1537?~1599)。その妻まつ(夫の没後、剃髪して芳春院〈ほうしゅんいん〉と称する)は、戦国の女性中でもよく知られた存在である。だが、世上流布しているイメージは、大半がドラマなどによるものといっていい。本稿では、あくまで史料にもとづき、まつの歴史的素顔をさぐってみたい。

尾山神社 (石川県金沢市)に残る、まつ(芳春院) の石碑

40歳近くまでの事績は、ほぼ不明

まつの伝記としてまとまったものには、大正時代に刊行された「芳春夫人小伝」(近藤磐雄・著)がある。没後300年に際し、前田侯爵家の依頼で書かれたものだ。一読しておどろくのは、生い立ちおよび利家との結婚が記されたあと、いきなり末森の戦い(1584年。後述)まで叙述がとんでいることである。このいくさの折、まつは38歳。その間の記録が残っていなかったのだろう。残念ではあるが、これは戦国女性として、けっして特別なことではない。

まつは天文16(1547)年、織田家の弓頭・篠原主計(かずえ)の娘として生まれた。父が早世したため、母はおなじ家中の高畠直吉に再嫁。この母が利家の生母と姉妹だったため、まつは4歳のとき前田家に引き取られ、12歳で利家と結婚する。ふたりはいとこ同士だったのである。ほぼ10歳ちがいの夫婦だった。

余談ながら、拙作『いのちがけ 加賀百万石の礎』(講談社刊)にも登場する前田家の重臣・篠原出羽と高畠石見は、名字からわかるように、まつの縁につながる者である。作中でことさらその点を強調はしなかったが、利家がいかに妻を重んじていたかがわかる。

利家に金銀を突きつけた?

先述した「末森の戦い」は、前田家の戦史上、きわめて重要な合戦である。羽柴(豊臣)秀吉と徳川家康があらそった小牧・長久手の戦いに連動し、家康方の佐々成政が前田領の要衝・末森城を急襲したのだ。

最終的には利家が勝ちをおさめるが、兵力としては成政側が優勢だった。「川角太閤記」によると、この時まつは、蓄財に熱心だった夫に金銀の袋を突きつけたという。「日ごろ、財より兵を養いなさいと申し上げておりましたのに、このようなことになりました。いっそ金銀に槍でも持たせたらいかがですか」となじったのだ。

説話の域を出ないものではあるが、なかなかに面白い。ちなみに「芳春夫人小伝」では、このエピソードはカットされている。「明良洪範」を典拠に、将士を激励したという無難な記述が採られているのだ。良妻賢母的なイメージが崩れることをおそれたのだろう。

まつ、前田家を救う

秀吉と利家があいついで没した後、天下への野心をあらわにした徳川家康は、前田家に牙を剥いた。当主となった利長(利家とまつの長男)に謀叛の嫌疑をかけ、兵を差し向けようとしたのである。弁明につとめた利長へ提示された条件は、母・芳春院(まつ)を人質として差し出せば疑いを解くであろう、というものだった。まつは秀吉の正室・北政所ねねとも親しく、豊臣政権下の大名夫人としてはただ一人、醍醐の花見にも同行をゆるされている。その令名に人質としての価値があると判断されたのだろう。

まつがこの提案を了承し、江戸へ下ったため、前田家は徳川三百年を生きのびることができた。「桑華字苑」によると、利長へ「母のことを思って家をつぶしてはならない。万一の時は、遠慮なくわたしを捨てなさい」と言い残したという。

利家とまつは、40年以上を夫婦として生き、男女あわせて11人もの子にめぐまれた。ひとりの正室が生んだ子どもの数としては、比類ない多さである。この夫婦のむつまじさを知る、ひとつの手がかりではあるだろう。

夫の残した加賀百万石を守り抜いたまつは、晩年、江戸からの帰国をゆるされ、金沢で71歳の天寿をまっとうした。豊臣家滅亡の2年後、元和3(1617)年7月のことである。

文/砂原浩太朗(すなはら・こうたろう)
小説家。1969年生まれ、兵庫県神戸市出身。早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務を経て、フリーのライター・編集・校正者に。2016年、「いのちがけ」で第2回「決戦!小説大賞」を受賞。著書に受賞作を第一章とする長編『いのちがけ 加賀百万石の礎』(講談社)がある。

『いのちがけ 加賀百万石の礎』(砂原浩太朗著、講談社)

  1. 越前の雄・朝倉義景とその一族【にっぽん歴史夜話27】

  2. 明智光秀像 滋賀県・坂本城址公園

    明智光秀の妻【にっぽん歴史夜話26】

  3. 石清水八幡宮

    「嘉吉(かきつ)の乱」とは何か~将軍・足利義教謀殺【にっぽん歴史夜話25】

  4. 織田信長の妻・帰蝶(濃姫)と斎藤道三~謎に満ちた父娘【にっぽん歴史夜話24】

  5. 江戸城・松の大廊下跡

    「吉良上野介」は悪人だったのか~「忠臣蔵」敵役の真実【にっぽん歴史夜話23】

  6. 足利尊氏像

    「観応の擾乱」(かんのうのじょうらん)とは何か~足利尊氏・直義兄弟、骨肉の争い【にっぽん歴史夜話22】

  7. 楠木正成像

    楠木正成~「忠臣」か「悪党」か【にっぽん歴史夜話21】

  8. 「応仁の乱」と日野富子【にっぽん歴史夜話20】

    「応仁の乱」と日野富子【にっぽん歴史夜話20】

  9. 松浦武四郎~「北海道」の名づけ親【にっぽん歴史夜話19】

    松浦武四郎~「北海道」の名づけ親【にっぽん歴史夜話19】

  10. 「聖徳太子」は虚像だったのか【にっぽん歴史夜話18】

    「聖徳太子」は虚像だったのか【にっぽん歴史夜話18】

  11. 「悲恋のヒロイン」ではなかった額田王~謎の女流歌人を追う【にっぽん歴史夜話17】

    「悲恋のヒロイン」ではなかった額田王~謎の女流歌人を追う【にっぽん歴史夜話17】

  12. 「令和」の宴をともにした二人の万葉歌人~大伴旅人と山上憶良にっぽん歴史夜話16】

    「令和」の宴をともにした二人の万葉歌人~大伴旅人と山上憶良【にっぽん歴史夜話16】

  13. 高知城内 山内一豊の妻 銅像

    「山内一豊の妻」伝説を検証する【にっぽん歴史夜話15】

  14. 元号ものがたり~改元にまつわる珍談・奇談あれこれ【にっぽん歴史夜話14】

    元号ものがたり~改元にまつわる珍談・奇談あれこれ【にっぽん歴史夜話14】

  15. 本多忠勝像

    「徳川四天王」家の幕末~そのとき、名将たちの子孫はどう動いたか【にっぽん歴史夜話13】

  16. 関ケ原

    立花宗茂~関ヶ原の敗北から返り咲いた唯一無二の武人【にっぽん歴史夜話12】

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 勝龍寺城は光秀の娘・玉(ガラシャ夫人)が藤孝の子・忠興のもとに嫁いだ城でもある 『麒麟がくる』光秀、波乱の人生最期の城までの軌跡|三英傑に仕え「…
  2. 光秀が仕えた斎藤道三の稲葉山城跡地に信長が岐阜城を築いた ミステリアスな『麒麟がくる』主人公・光秀の足跡を追う|三英傑に仕…
  3. 越前の雄・朝倉義景とその一族【にっぽん歴史夜話27】
  4. 明智光秀像 滋賀県・坂本城址公園 明智光秀の妻【にっぽん歴史夜話26】
  5. 石清水八幡宮 「嘉吉(かきつ)の乱」とは何か~将軍・足利義教謀殺【にっぽん歴史…
PAGE TOP