野鳥観察は都心で楽しめる!覚えておきたい3種の野鳥とは

文/柿川鮎子

野鳥観察というと、珍しい鳥を求めて奥深い山や河原など郊外へ出掛けるイメージがありますよね。でも、わざわざ遠くまで行かなくても大丈夫。都心の身近な街路樹や公園でも、野鳥観察はじゅうぶん楽しめるのです。

とくに都会に住むサライ世代の方々にお薦めしたいのが、毎日の散歩途中に楽しむ野鳥観察。「鳥なんてカラスやハトしかいないよ?」と思ったあなた、あなた自身の目でぜひ確かめてみて下さい。運が良ければベテランのバードウオッチャーですら虜にしているあの鳥を、散歩途中に観察することができるはず。

そこで今回は、都心でも観察が可能で、比較的簡単に見分けることができる3種の野鳥を紹介します。どれも姿かたちが可愛らしい小鳥です。

まずはこの3羽を覚えることから、日々の生活に野鳥観察を取り入れてみましょう。

■1:都会の癒し系「シジュウカラ」

マンションのベランダにもよく飛んでくるシジュウカラ、白ほっぺと黒ネクタイがチャームポイント

「白いほっぺのスズメくらいの鳥」がいたら、それはシジュウカラかもしれません。

頭が黒くて白いほっぺ。背中はブルーかかった灰色と微妙な黄色。お腹は白っぽく、真ん中に黒い線が入っています。この黒いネクタイ状の線が太いのが雄、細いのは雌で、ネクタイが太くて立派な雄ほど雌にモテるとか。

日本中、かなり広い範囲に分布して、都心部でも簡単に観察できる鳥ですが、欧米の愛鳥家たちにとっては珍しく、ヤマガラとともに日本で見てみたい鳥のひとつと言われています。

最近、総合研究大学大学院の研究で、シジュウカラが二つの鳴き方を組み合わせて相手に意味を伝えているという論文が発表されました。人以外に文章をつくることができる鳥として、話題になっているのです。

■2:日本一ちいさいキツツキ「コゲラ」

キツツキ目キツツキ科アカゲラ属のコゲラは背中の縞模様がキュート

キツツキというと、木のたくさん生えた林や森にしかいないと思われがちですが、じつは都内でも、木がある公園などで見つけることができます。

背中が横のシマシマ模様で、街路樹を垂直に上り下りしている鳥がいたら、コゲラかもしれません。ギイーギイーというコゲラの独特の声が聞こえるかどうか、ぜひ耳をすませて観察してみて下さい。

日本で一番小さいキツツキで、木に穴をあけて中にいる虫を食べたり巣をつくります。都内は桜の木が多いので、柔らかい幹をつつく姿を見ることができます。

雄は後頭部の両側に赤い羽があり、運がよければ赤いマフラーあるいはバンダナを巻いているような線が入ります。この赤い羽は少ない上、皮膚に近い下の方に生えているため、頭の毛を広げてふっくらさせないと出てきません。ベテランのバードウオッチャーでもなかなか見ることができません。

先日、来日した英国人バードウオッチャーは「キツツキのいる東京は何と素晴らしい緑化都市か」と感激していました。キツツキのいる首都は東京だけではないかとも言っており、ぜひ多くの人にコゲラの可愛い姿を見てほしいと願ってやみません。

■空飛ぶ宝石「カワセミ」

カワセミは翡翠のほか、川蝉、翡翆、魚狗などとも書きます

野鳥観察をはじめたきっかけとなった鳥としてよくあげられるのがカワセミです。

美しい翡翠色の小鳥で、一度見たら忘れられません。空飛ぶ宝石と呼ばれるこの鳥の姿をカメラにおさめたいと、今日もたくさんの人が早朝から日比谷公園を訪れています。

カワセミは漢字で「翡翠」とも書きます。翡翠はヒスイとも読み、女性にとってはあこがれの宝石の名前です。この宝石は、光り輝くカワセミの羽の色から付けられたもので、鳥の方が先。そしてこの羽は太陽の光を反射した構造色で、青や青緑に輝き、太陽が落ちると真っ黒になります。

コンクリートを使った護岸工事や川の汚染により営巣できなくなったカワセミは、80年代にいったん姿を消してしまいます。その後、多くの人々の努力によって少しずつ数を増やし、現在では日比谷公園や小石川後楽園、代々木公園などでも観察されています。

東京都区部においては絶滅危惧Ⅱ類に指定されている貴重な鳥です。ぜひ散歩途中の公園で観察してみてください。

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以上、都心でも観察可能な野鳥を3種ご紹介しました。他にもオナガ、メジロ、ヒヨドリ、ムクドリなど、人間の生活圏に近い場所で生息している野鳥はたくさんいます。

また、冬と夏で見ることができる鳥が異なるなど、野鳥観察から季節や自然を体感できるのも楽しみのひとつ。まずは散歩中の野鳥観察から、バードウォッチングの世界へと羽ばたいてみませんか?

文/柿川鮎子
明治大学政経学部卒、新聞社を経てフリー。東京都動物愛護推進委員、東京都動物園ボランティア、愛玩動物飼養管理士1級。著書に『動物病院119番』(文春新書)、『犬の名医さん100人』(小学館ムック)、『極楽お不妊物語』(河出書房新社)ほか。

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