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いよいよ夏本番。気象庁の予報では、今年の夏は後半から暑い日が多くなる見込みです。今年の夏と似ている2010年の熱中症による死亡者は1,731人にものぼり、そのうち65歳以上の高齢者が全体の8割(79.3%)を占めていました。

「これくらいなら大丈夫」と暑さを過小評価していませんか? 今回は、LIXILの調査結果をもとに、高齢者の熱中症対策と、室温を下げる工夫についてお伝えしていきます。

■熱中症は住居内で起こっている

熱中症による死亡の発生場所は、実は全体の84.0%が住居内で発生しているのです。特に65~79歳では87.2%、80歳以上では86.3%となっており、住居内での熱中症が命取りになっていることが分かります(平成25年の調査)。

70歳以上の親と離れて暮らす30代・40代の男女300人を対象にしたLIXILの調査でも、半数以上が「自分の親は夜寝るときにクーラーをつけたくないと思っている」(53.7%)、「自分の親は暑さを我慢できると思っている」(50.3%)と答えています。

「クーラーが苦手」という方は、多いですよね。「一人でいるときはつけなくてもいい」と遠慮している人も、少なくないはず。でも、夏の暑さは油断大敵です。

■高齢者は体の水分が少なく、暑さを感じにくい

昭和大学病院教授・救命救急センター長の三宅康史先生は、高齢者が熱中症になりやすい理由を、「体の水分量が少なく、体温が変動しやすいこと、また喉の渇きを感じにくくなっているので、水分補給が滞り脱水しやすいため」と説明します。暑さを感じにくくなり、厚着をしがちなことも注意が必要です。

先生のお話をもとに室内での熱中症対策の「基本のキ」についてまとめてみます。

(1)まずはこまめな水分補給とバランスの取れた食事習慣が大切

(2)こたつを取り、春夏仕様の部屋へ模様替えする

(3)温度計・湿度計を設置し、体感ではなく数字として認識する

(4)防犯も考えつつ、夜間も居間と寝室の温度を上げない工夫を

高齢者のお宅に行くと、夏でも部屋にはこたつがあり、エアコンをつけると暖房になっていることがよくあるそう。

また中心部では夜間も気温が下がらず、窓も閉め切っているため、部屋の温度はますます上昇し、それが夜間の熱中症の危険を高めてしまうのです。

■エアコン嫌いでも室内温度を下げる工夫

一日の大半を過ごす、居間と寝室。熱中症対策にはここの室温を高めないことが先決です。

室内に入ってくる熱の73%は窓や玄関などの開口部からなのです(日本建材・住宅設備産業協会による)。日中の降り注ぐ太陽が部屋の温度をぐんぐん上昇させ、夜も蒸し暑くさせてしまうのです。

エアコンが苦手な方も、以下のような窓周りの一工夫を取り入れてみては? 室内の温度をクールダウンしてくれます。

【1】窓の内側に風通しのよい日よけをつける
すだれのような風を通すもので、ロールアップでき、日光が必要な時は入れられるものだと便利です。

【2】窓の外側にサンシェードを張る
大きく日差しを軽減するサンシェード。雨風に強いものを選びましょう。

【3】バルコニーに日陰をつくる
窓辺に屋根状のテントを張り、ベランダをつくります。アウトドア用のテーブルを置くと、夕涼みもできます。

以上、高齢者の熱中症対策と、室温を下げる工夫についてお伝えしましたが、いかがでしたか?

エアコンと日光を遮る窓周りの工夫との合わせ技で、しっかり熱中症対策していきましょう。

【参考リンク】
70歳以上の親と離れて暮らす30代・40代の男女300人に聞く「熱中症調査」

取材・文/庄司真紀

 

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