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文/鈴木拓也

昔から「老いは脚から始まる」と言われている。実際、寝たきりになるきっかけは、脚の老化を素因とする骨折・痛みで入院し、そのまま筋力が低下してしまうことによるものが多い。

脚の老化を防ぐために、「ロコモ体操」など様々な方法が世間では出回っているが、多くは習慣化するのがちょっと面倒なもの。最初のうちは意気込んではじめても、だんだん億劫になってやめてしまうパターンが多い。

そこで今注目を浴びているのが、足腰強化の筋トレで定番のスクワット。場所をとらず、ちょっと時間の空いているときにサクッと実行でき、さほどしんどくないので習慣化しやすいというメリットがある。

ただ一口にスクワットと言っても、方法は千差万別。両手を頭の後ろで組むやり方もあれば、前に出すやり方もある。膝を大きく曲げるやり方もあれば、尻を突き出すやり方もある。要するに、正しいフォームというものがこれまで確立されておらず、中にはかえって身体の故障につながりかねないやり方があるという。

そこで、スクワットの正しいフォームを追究し、健康効果が高く、故障の心配のない方法を編み出したのが、順天堂大学医学部教授で日本体育協会公認スポーツドクターの小林弘幸教授。近著『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』(幻冬舎)には、数通りのスクワットだけで足腰を強化するステップアップ・プログラムが紹介されている。

プログラムの骨子は、最初の1週間は朝晩5回、椅子の背につかまりゆっくり腰を上げ下げするのから始め、徐々に運動強度を上げるというもの。最終段階でも、朝晩20回の自重スクワットをするだけ。この頃になると筋力は上がり、20回連続のスクワットはさして苦もなくできるようになっている。

1~3週目は股関節ゆるめを主眼としたゆったりしたスクワット
(本書第2章「実践スクワット」より転載)

小林教授によれば、スクワットには単に足腰の鍛錬にとどまらず、基礎代謝量をアップして太りにくい体質にする、血流を良くして脳梗塞・糖尿病のリスクを下げる、免疫力を上げる、認知症を予防するなど、様々な健康効果があるという。

小林教授自身も、このスクワットの実践者だが、勤務先の医師会の階段を7階まで颯爽と上がり、気持ちも前向きになって快活に日々を過ごせるようになったという。

朝晩の脚の上げ下げだけでこれだけのメリットを享受できるのだから、きわめてコストパフォーマンスの大きい運動法である。生涯、自分の脚で歩く溌溂とした生活を送りたい人は、さっそく始めてみてはいかがだろうか。

【今日の健康に良い1冊】
死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい
(小林弘幸著、本体1,000円+税、幻冬舎)

文/鈴木拓也
2016年に札幌の翻訳会社役員を退任後、函館へ移住しフリーライター兼翻訳者となる。江戸時代の随筆と現代ミステリ小説をこよなく愛する、健康オタクにして旅好き。

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