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文/中田綾美

前回は、毛細血管が全身の細胞と直接やりとりするという重要な役割を果たしており、健康やアンチエイジングに深く関わるという事実をお伝えしました(参考記事「全身を網羅する“毛細血管”の知られざるスゴい力とは」)。

毛細血管が不調だと、全身に栄養や酸素が行き渡らず、老廃物の排出もうまくいかなくなるので様々な不調を引き起こしやすいのです。

その毛細血管をケアする有効な手段のひとつが“入浴”。暑さが続くこの時期には、シャワーのみで済ませる人も多いでしょうが、健康増進のためには、夏場でも湯船で体を温めるのが望ましいのです。

とはいえ、ただ湯船に浸かりさえすればいいわけでもありません。まちがった入浴方法ではその恩恵を受けられないばかりか、血流悪化や湯冷めなどの弊害がもたらされるおそれも……。

今回は、熊本市民病院首席診療部長の橋本洋一郎氏の著書『毛細血管で細胞力は上がる』(小学館)を参考に、正しい入浴の心得2つをお届けします。

■1:ぬるめのお湯にゆっくり浸かる

そもそもなぜ風呂に入ることが健康にいいのか? 本書ではそのメカニズムについて、以下のように解説しています。

「私たちの体は、お風呂の温度が38℃以上になると心拍数が増加して、毛細血管、細動脈、細静脈が拡張し、血流量が増え、体内の老廃物や疲労物質が、細胞から運び出されて、コリがほぐれ疲れが取れます。
(中略)
自律神経も緊張状態からリラックス状態へと変化するために、副交感神経が優位になり、内臓機能が高まって消化吸収が進み、心拍数や血圧も安定します。」(本書より引用)

ただ湯船で体を温めるのが大事とはいっても、湯が熱すぎると逆効果のおそれも。42度以上の高温では、交感神経が刺激されて、血管が収縮して血流量が減少し、心拍数や血圧が上がるおそれがあるとのことです。

また、“39℃で15分”と“42℃で3分”の入浴を比較すると、前者のほうが体温上昇がゆるやかで、入浴後に湯冷めしにくいといいます。

全身の健康のためには、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるようにしましょう。

■2:炭酸浴を活用する

より効率的に毛細血管ケアをするなら、炭酸ガス(二酸化炭素)が溶け込んだお風呂“炭酸浴”を活用しましょう。

わざわざ温泉や銭湯まで赴かなくても、市販の入浴剤で自宅でも炭酸浴を堪能することは可能です。

「炭酸のお湯に入ると、炭酸ガスが素早く皮膚から体内に浸透して、炭酸成分の刺激によって、毛細血管が拡張され、血流が促進されます。炭酸浴の良いところは、低い温度で短時間の入浴でも血流の改善効果が得られることで、血圧を上昇させることなく血流を良くすることが期待できます。」(本書より引用)

実際に、花王と岡山大学の共同研究において、38℃の炭酸浴を10分間行うことで、血流アップが認められたとのことです。また、炭酸浴は、体の深部まで温まり、湯冷めしにくいという効果もあるのだとか。

お風呂でのぼせやすいという人も、低温・短時間で効果を見込める炭酸浴であれば実践しやすいのではないでしょうか?

まだまだ暑い日が続きますが、外は炎天下でもエアコンのきいた屋内でずっと過ごしていると、知らず知らずのうちに体は冷えているものです。

今回ご紹介した正しい入浴方法で、全身の毛細血管ケアを行い、健康増進をはかりましょう。

【参考図書】
『毛細血管で細胞力は上がる: エコノミークラス症候群の第一人者・橋本洋一郎の5つのメソッド』
(橋本洋一郎著、本体1,200円+税、小学館)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09310857

文/中田綾美

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