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日本人は大のお風呂好き。しかし、正しい入浴法を誰かから教わる機会はなかなかありません。この連載では、温泉・お風呂の医学研究者である早坂信哉が、現代人が知っておきたい入浴法について語っていきます。

朝晩、冷えてくる季節はお風呂の季節といっても過言ではないでしょう。

スイッチひとつでお湯の温度を設定できる時代ですが、いつも何度に設定していますか? 温泉療法専門医として長年、お風呂の効果を研究してきましたが、実は入浴の効果というのは、お風呂の温度で大きく変わるのです。

私の著書『たった1℃が体を変えるほんとうに健康になる入浴法』ではお風呂の効果的な入り方をさまざまな側面から考察しています。

これから4回に渡って、医学的に知っておきたい入浴法をお伝えしていこうと思います。1回目の今回は、お風呂の温度が体に与える影響についてお話します。

■実は42℃を境にお風呂の効果は真逆になってしまう!

人の体には自律神経という神経があります。

交感神経と副交感神経という2つの神経は、シーソーのようにバランスを取りながら人の健康を維持します。あまり知られていませんが、お風呂は温度のわずかな差によってこの自律神経の反応は正反対に働くのです。

自律神経は意識的に働かせることができないもので、内臓など体のバランスの働きを自律的に調整してくれています。

端的にいうと交感神経は人間の心身をこれから狩猟にでも行くような興奮状態にし、副交感神経は急速、リラックス状態にします。

42℃以上の熱い湯に入ると交感神経が高ぶり、戦闘状態のような興奮状態になるので、血圧が上がり、脈が速まり、汗をかき、筋肉は硬直。

一方、40℃程度のぬるいお湯は副交感神経が刺激されて心身がリラックスし、血圧は下がり、汗もかかず、筋肉もゆるみます。胃腸は休憩時により活発になり、消化がよくなります。

■元気を出したい時は42℃、リラックスには40℃以下に

この効果を利用すると、さまざまは病気予防や改善にお風呂を活用することができます。

疲れや冷えを感じる時には血液循環とリラックスを目的として、40℃以下のお風呂に15分を目安に入りましょう。

食事から摂取した栄養は毛細血管によって体の隅々まで運ばれますから、お風呂で体の循環を高めることで健康な体づくりの土台となります。

反対に、嫌なことがあって沈みがちな時や「スッキリ忘れたい」、「やる気を出したい」という時は41~42℃のお風呂に入るのも効果的です。

熱めのお湯に全身浴なら3~5分程度浸かると、気持ちがリフレッシュして、心と体が目覚め、やる気が起こってきます。心臓の負担を減らすには半身浴のほうがよい人もいるでしょう。

ただし42℃以上のお風呂に長時間入ると血液の粘度が上がり、血栓ができやくなって危険です。長時間入るには、心身にやさしい40℃より低いぬるま湯がおすすめ。

熱いお風呂に5分以上入るのはNGということは覚えていてほしいと思います。

健康のために入浴を取り入れる方も多いでしょう。せっかくお風呂に入ったのに、あまり効果がなかったり、逆に「疲れた」「目が冴えて眠れない」ということもお風呂の温度によって、変えていけます。

著書『たった1℃が体を変えるほんとうに健康になる入浴法』では、入浴剤の選び方、ダイエットに効果的な入り方、入浴前後の水分補給法など、入浴の新常識や豆知識を多数紹介していますので、ご興味がある方はぜひご覧ください。

 

監修・構成/早坂信哉
取材・文/庄司真紀

指導/早坂信哉(はやさかしんや)
1993年、自治医科大学医学部卒業後、地域医療に従事。2002年、自治医科大学大学院医学研究科修了後、浜松医科大学准教授、大東文化大学教授などを経て、現在、東京都市大学人間科学部教授。一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。博士(医学)、温泉療法専門医。

【参考図書】
『たった1℃が体を変えるほんとうに健康になる入浴法』
(早坂信哉・著、本体1,296円、KADOKAWA)
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