撮影メモ:45㎜レンズ 絞りf11 バルブ撮影。

45㎜レンズ 絞りf11 バルブ撮影(撮影:市川 傳)

談/市川 傳(写真家)

花火大会といえば夏の風物詩ですが、9月以降も各地で美しい花火の競演が行われます。そのひとつが、長野県諏訪湖を会場にする9月3日の「第34回全国新作花火競技大会」です。

この大会は、全国から集まった25名の煙火師による花火競技です。従来の枠にとらわれない斬新な発想と独創的なスタイルの新作花火を観賞でき、自分で採点をつけてみるという、面白さもあります。

今年は熊本地震復興応援の花火から始まり、湖ならではの水上スターマインまで、約1万8000発(予定)の花火が打ちあがります。観賞には、有料自由席があり前売りや当日販売分もありますので、確実に席を確保したい場合は、事前に手配のほどを。暑さもやわらぐころですので、のんびりと楽しめることでしょう。

花火撮影の人気スポットは諏訪湖の東に位置する立石公園です。ここからは諏訪湖と花火、温泉街をカメラに収めることができます。

まず大会当日の早朝に、三脚をセットして撮影場所を確保しましょう。

私の写真は、ひとコマの写真の中に複数の画像を埋め込む「多重露光」の手法で撮影したものです。フィルム時代と異なり、今はデジタルカメラに多重露光の機能が付いているものが多いですし、あるいはフォトレタッチソフトを用いるという手もあります。いずれの場合も、形のいい花火を選び、左右・天地のバランスも考えて1枚の写真にします。

ポイントはカメラを動かさないこと。ですので、花火撮影には三脚は必須です。連続的に打ち上げるスターマインは一度の撮影で比較的綺麗に撮影することができます。また、街並みは、露光不足で暗くなりますので、花火が上がっていないときに45秒~1分ほどのシャッター速度で写します。

花火撮影で心掛けていただきたいのが、臨場感を大切にするということです。つまり、実際に花火を見ているその残像を表現する、その花火大会の素晴らしさを時間を短縮して1枚の写真にするということです。

多重露光は、ともするとテクニック偏重になりがちですが、ぜひ、ご自身の感動を入れ込んでください。

【第34回全国新作花火競技大会(長野県・諏訪湖)】
■日時:平成28年9月3日(土)19時~20時:30分(予定)(雨天決行)
■打ち上げ場所:諏訪市諏訪湖上(観覧場所:諏訪市上諏訪温泉・諏訪湖畔)
■交通:JR中央線上諏訪駅下車後徒歩約8分
■問い合わせ:新作花火大会実行委員会(一社)諏訪観光協会) 電話:0266-52-2111

写真・談/市川 傳(つたえ)
1945年東京都生まれ。ヨーロッパアルプス登山を機に写真の道に入り、東京写真専門学校卒業後、建築写真を主として撮影しながら、風景写真を学ぶ。北海道から沖縄の自然を四季にわたり撮影し、カレンダー、雑誌等に写真を提供。ライフワークとして、桜・城・花のある風景を撮影。公益社団法人 日本写真家協会会員

取材・文/関屋淳子

 

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