趣の異なる8つの温泉が連なる信州高山温泉郷【魅惑の温泉案内 第83回】

長野県長野市から東へ約20kmに位置する高山村。周辺には小布施(おぶせ)や須坂という観光地があります。村の中心を松川が東西に流れ、標高約900mの松川渓谷から、冬はスキー場で知られる標高約1500mの山田牧場までの間に8つの温泉が点在し、信州高山温泉郷を形成しています。春の桜や秋の紅葉も美しいのですが、夏も涼を求める人々でにぎわいます。

8つの温泉はそれぞれ泉質が異なります。黄色く濁るナトリウム・カルシウム‐塩化物泉の子安温泉、無色透明な含硫黄‐ナトリウム・カルシウム‐塩化物温泉の山田温泉、7つの源泉から引かれた乳白色の七味温泉、単純硫黄泉の奥山田温泉など、じつに多彩で個性的です。

そのうちのひとつ、松川渓谷の玄関口にあたる山田温泉には桃山風建築の堂々とした佇まいの大湯があり、情緒たっぷりです。浴場は「あつ湯」と「ぬる湯」があり、夏はぬる湯の方がおすすめです。疲労回復に効果があり、体がいつまでもポカポカとよく温まります。

大湯の近くには、高山村の物産品の展示や休憩コーナーを設けた「スパ・ワインセンター」があり、足湯喫茶を併設しています。足湯を楽しみながら涼風に吹かれるのもいいものです。

高山村は高品質なワイン用ブドウ品種が生産されることでも知られています。国際的なコンクールで高い評価を得た高山村産ブドウの国産ワインをお土産にしてみてはいかがでしょうか。

山田温泉

写真提供:PIXTA

取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。

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