黒川温泉｜懐かしい田舎の風情が心身を癒す【魅惑の温泉案内 第９回】
熊本県、阿蘇山の北に位置する黒川温泉。筑後川の支流・田の原川の渓流に寄り添うように旅館が並んでいます。もともとはひなびた湯治場だった温泉地ですが、今は全国から旅行者が訪れる人気の温泉地になりました。
派手な看板や大型のホテルはなく、コンビニエンスストアも見当たりません。黒い瓦屋根の小さな旅館が並び、温泉入り口の看板や道案内も、黒板に白文字で統一され、落ち着いた雰囲気が漂います。素朴な里山の情緒を大切にしようと、湯を守る町の人々の努力によって、景観が保たれてきました。
決して交通の便がいいとはいえない小さな温泉地。いえ、だからこそ日常とは異なる懐かしい田舎の風情が心身を癒してくれるのです。
温泉の20数軒の宿のほとんどに、露天風呂があり、1枚1200円の「入湯手形」を購入すると、好きな宿の露天風呂３ヶ所を入浴することができます。泉質は硫黄泉や硫酸塩泉などで、肌にやさしく美肌効果も期待できます。入湯手形を手に、露天巡りを楽しみましょう。
黒川温泉観光旅館協同組合 インフォメーションセンター
熊本県阿蘇郡南小国町黒川さくら通り
電話／0967-44-0076
取材・文／関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」（http://www.tabikoi.com）代表。
