【歩いてみたい冬の京都】ほのかな明かりがともる「石塀小路」で夜の風情を味わう

石塀小路

京都といえば、春の桜のシーズンと秋の紅葉の時期が注目されますが、じつは多くの秘宝が公開される冬の旅がおすすめです。凛とした空気が張り詰める冬の京都は、よそ行きとはちがう、普段の顔を見せてくれることでしょう。

京都は散策したくなる街です。八坂神社から豊臣秀吉の正妻・北の政所が建立した高台寺へ向かう途中には「ねねの道」があります。京都らしい風情が漂い、多くの観光客が行き来します。

このねねの道の途中に、石塀小路があります。石塀小路ができたのは大正時代初期といわれています。当時あった寺院の庭園の一部を取り崩し、通り抜けの道を作りました。路地の入口にはガス灯を模した電灯が掲げられています。

道に敷き詰められた石畳の一部は、昭和50年代に廃止された京都市電の敷石を移設したものです。赤レンガの壁や黒板塀など、風情が残り、映画や雑誌の撮影地としてもよく使われています。

小路の両脇には旅館や飲食店が並び、静かな路地にほのかな明かりがともると、夜は独特の雰囲気に包まれます。

道は右に折れ左に折れ、袋小路かと思われるところもあります。入口が見つけにくいのですが、それもまた、京都らしいということでしょう。

取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。

※本記事は「まいにちサライ」2013年12月10日掲載分を転載したものです。