平安時代から日本橋の街を見守る福徳神社。

平安時代から日本橋の街を見守る福徳神社。

お江戸日本橋・コレド室町1内にある三井ホールで開催されている「アートアクアリウム 2016~江戸・金魚の涼~&ナイトアクアリウム」は、今年で10周年を迎える水中アート展覧会だ。

三井ホールで行なわれるのはこれで5回目。今ではすっかり日本橋の夏の風物詩となった。

アートアクアリウムや関連イベントをお目当てに日本橋を訪れる人の多くは、目くるめく金魚と光と音楽のアートの余韻に浸りながら、そのままコレドの向かいに鎮座する福徳神社に参拝する。

平成26年10月に現座地に遷座して以来、こちらも日本橋の新しい顔として定着した福徳神社で、参拝者の心を癒しているのが、社頭に毎週掲げられる「良い言葉色紙」だ。

8月8日から掲示される新作色紙。

8月8日から掲示される新作色紙。

これは遷座の年に刊行された福徳神社の真木千明宮司の著書『ご縁で生きる~ひとりでがんばらない処方箋』から抜粋したフレーズを、色紙にしたためたもの。

例えば――。

「願えば叶うなどという都合のいい魔法はない」

「笑いのあるところに諍いは生まれない」

「誰も見ていないからといって心の掃除をさぼってはいけません」

「助けてくれる人はみなご縁で結ばれている」

「煩悩とうまくつきあうこともひとつの知恵」

「神様は物にも人の心にも宿っている」

「神を宿した心が自分を律する」

週に1回のペースで更新される色紙は40枚以上に(写真はその一部)。

週に1回のペースで更新される色紙は40枚以上に(写真はその一部)。

■癒しにもなり、「気づき」も得られる

週に1枚、授与所に掲示される色紙の数はこれまでで40枚以上。8月8日からは「災禍の中にもヒントを探し今後に役立てようする気力が大事」という色紙が掲示されている。この言葉は、『ご縁で生きる』に掲載された真木宮司の経験から得た人生の知恵にある。

「どうにも馬が合わない上司や先輩がいたとします。(中略)その人を見返してやるという思いで発奮することで、やがてその人をも凌駕してしまう、というのはよくある話です。(中略)きっかけを与えてくれた嫌な上司も、別の見方をすれば〈恩人〉のような存在にもなるわけです。〈あの人は嫌いな人だったけど、あの人がいたおかげで今の自分がある〉」(『ご縁で生きる』P.79より)

『ご縁で生きる』には、誰もが経験しうることから得られるこうしたちょっとした「気づき」がエピソードとともにいくつも綴られている。

日本橋に勤務し、毎朝、毎夕福徳神社に参拝しているというHさんはいう。

「毎日腕時計を見ながらせわしなく動き回っていていますが、神社にお参りすることで、なんとなく心を落ち着かせています。お参りが終わって授与所の前を通る時、色紙の言葉が目に止まると、ハッとすることが多くあります。癒しにもなることもありますし、気づきを得られることもあります」

同様に日本橋に務めるSさんもこういう。

「参拝した後に、色紙に書かれた言葉をみると、パワーをもらえる感じがします」

色紙に書かれた言葉はすべて神社の職員が一枚一枚墨書しているが、「親本」でもある『ご縁で生きる』は、授与所でも頒布されていて、色紙を見て同書を買い求める人も多い。日本橋の隠れたベストセラーとなっているのだ。

真木宮司が語る。

「色紙にしたためられた言葉に反省させられたという人もいれば、勇気をもらったという人もいます。神前に手を合わせてから読むからこそ、胸に響くのかもしれませんね」

色紙の入れ替えは、毎週月曜日。パワーをもらえる色紙の存在は、新しいパワースポットとして注目を集めているようだ。

文/編集部

『ご縁で生きる』表紙
『ご縁で生きる~ひとりでがんばらない処方箋』
著:真木千明、小学館刊
四六判並製、208ページ
定価:本体1000円+税
出版社による紹介ページはこちら

 

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