猫の大好物=アジの干物、これははたして万国共通か?

空前の猫ブームといわれる昨今。でも、猫の生活や行動パターンについては、意外と知られていないことが多いようです。人間や犬の行動に当てはめて考えて、まったく違う解釈をしてしまっていることも少なくありません。昔から猫を飼っているから猫の性格や習性を熟知していると思っていても、じつは勘違いしていたということが結構あるようです。

そこで、動物行動学の専門医・入交眞巳先生(日本獣医師生命科学大学)にお話を伺いながら、猫との暮らしで目の当たりにする行動や習性について、専門的な研究に基づいた猫の真相を解明していきたいと思います。

虚弱体質だったアジアくん(名前の由来はお魚のアジ!)。小さい時に病気がちであまり食べられなかったせいか、今はわさびちゃんちの誰よりも食いしん坊です。「もう食べてもいいですか?」(アジアくん)

虚弱体質だったアジアくん(名前の由来は魚のアジ)。小さい時に病気がちであまり食べられなかったせいか、今はわさびちゃんち(本文下に解説あり)の誰よりも食いしん坊です。「もう食べてもいいですか?」(アジアくん)

猫の好物はアジの干物、これって万国共通!?

愛猫に「ご飯ちょうだい」「おやつちょうだい」と甘えられると、可愛さからついたくさんフードをあげてしまいたくなります。最近はおいしいおやつの種類も豊富ですが、猫によって好みは千差万別。複数の猫を飼っていても、みんながみんな同じものが好きとは限りません。

いったい、猫はどんな食べ物が好きなのでしょうか。日本では「お魚くわえたドラ猫~♪」とも歌われるように、猫の好物といえば魚が定番というように思われていますが、アメリカにも「猫は肉より魚の方が好き」という、かなり前の調査報告(1956年)があります。

では、猫の好きな食べ物=魚は、万国共通なのでしょうか? じつは、イギリスでは、「それぞれ生まれ育った場所で食べてきたものが好き」という調査報告もあります。イギリスのある島では、猫の餌として兎の肉を与えていたので、その島の猫は兎肉好きになってしまっているのだとか。「肉より魚の方が好き」との報告のあるアメリカの野良猫でも、観察していると現実的にはチキンやハンバーガーが大好きみたいです。

食生態学者の故・西丸震哉さん(1923~2012)が世界中の猫たちに様々な餌を与えたところ、どの国の猫も狂喜乱舞して喜んだのがアジの干物だったといいます。いったい、どの調査結果が最も正確なのでしょうか。

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