これが幕末男たちの面構え!日本写真史の夜明けを貴重な写真でひもとく展覧会

田本研造《箱根市中取締 裁判局頭取 土方歳三》(部分)ゼラチン・シルバー・プリント(後年のプリント)明治2年 函館市中央図書館 展示期間:4月25日~5月7日(他期間はレプリカ展示)

田本研造《箱根市中取締 裁判局頭取 土方歳三》(部分)ゼラチン・シルバー・プリント(後年のプリント)明治2年 函館市中央図書館 展示期間:4月25日~5月7日(他期間はレプリカ展示)

1839年、フランス人のダゲールが銀板を用いた初の写真法を発表。そのわずか4年後には、オランダ船によってダゲレオタイプ(銀板写真)の写真機材が日本に持ち込まれました。

江戸時代末期の日本において「写真」は西洋技術の象徴でした。まさに魂を抜き取られるほどの衝撃だったでしょう。横浜や長崎などの居留地では、訪日した外国人写真技師との関りから、江戸の鵜飼玉川(うかいぎょくせん)や長崎の上野彦馬(うえのひこま)、横浜の下岡蓮丈(しもおかれんじょう)など、早々と日本人の写真師が現れました。

日本が西洋的近代化へ向かう流れのなかで、日本における写真の歴史の夜明けともいえる時代です。

そんな日本写真史の夜明けを、貴重な初期写真でひもとく展覧会「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史 総集編」展が、東京・恵比寿の東京都写真美術館で開かれています。(第一期は~3月20日、第二期は3月22日(火)~4月9日(日)、第三期は4月11日(火)~4月23日(日)第四期4月25日(火)~5月7日(日)

エリファレット・ブラウン・ジュニア《田中光儀像》国指定重要文化財 嘉永7年 ダゲレオタイプ 個人蔵 展示期間:4月11日~5月7日

エリファレット・ブラウン・ジュニア《田中光儀像》国指定重要文化財 嘉永7年 ダゲレオタイプ 個人蔵 展示期間:4月11日~5月7日

東京都写真美術館は2006年度から隔年で、日本各地の公的美術館・博物館・資料館などにおける幕末~明治期の写真・資料を調査し、体系化する展覧会「知られざる日本写真開拓史」シリーズを開催してきました。本展は10年に及ぶ調査の総仕上げとして、全国から選りすぐった初期写真を紹介する総集編です。

本展の見どころを、東京都写真美術館の学芸員、三井圭司さんにうかがいました。

「本展では、ペリーの来日に随行した写真技師、エリファレット・ブラウン・ジュニアによる《田中光儀像》(国指定重要文化財)、田本研造による《箱根市中取締 裁判局頭取 土方歳三》、フェリーチェ・ベアトによる《愛宕山から見た江戸のパノラマ》など誰もが知っている有名な初期写真から、市井の人々の暮らしぶりがうかがえる初期写真まで、日本全国から選りすぐった374点を紹介します。

展示は、台紙裏面のデザインを鑑賞できるように立体的に展示し、台紙に記された文面や印章、装丁などからその写真が辿った歴史を読み解くことができます。

また、展示室前のロビーには江戸の街を見わたす大パノラマ写真の撮影コーナーを設けましたので、ご鑑賞の記念に撮影をお楽しみください」

幕末・明治の人々の新時代への息吹を感じる展覧会です。ぜひ足をお運びください。

【「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史 総集編」展】
■会期:第一期3月7日(火)~3月20日(月・祝)第二期3月22日(火)~4月9日(日)第三期4月11日(火)~4月23日(日)第四期4月25日(火)~5月7日(日) ※会期中、一部作品及びアルバムページの展示替えあり
■会場:東京都写真美術館 3階展示室
■住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
■電話番号:03・3280・0099
■WEBサイト:http://topmuseum.jp
■開館時間:10時~18時まで、木・金曜日は20時まで(入館は閉館30分前まで)
■休館日:月曜日(ただし3月20日、5月1日は開館)、3月21日(火)
■入館料:一般700(500)円 学生600(480)円 中高生・65歳以上500(400)円 ( )内は20名以上の団体料金、小学生以下及び都内在住・在学の中学生及び障がい者手帳所持者と介護者は無料、第3水曜日は65歳以上無料
アクセス:JR恵比寿駅東口より徒歩約7分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅1番出口より徒歩約10分

取材・文/池田充枝