ナブッコ sub6 (C)Marty Sohl/Metropolitan Opera

『ナブッコ』主演のプラシド・ドミンゴ (C)Marty Sohl/Metropolitan Opera

ニューヨークの芸術の殿堂、リンカーンセンターの真ん中に位置するのが『メトロポリタン歌劇場』(通称、MET=メット)。METの一番の特徴とえいば、常に超一流のスター歌手を揃えるということ。偉大なるテノール歌手、ルチアーノ・パバロッティ(2007年没)も、ここMETを本拠地にしていた。

そんなMETで上演される世界最高峰のオペラの感動を、日本全国の映画館の大型スクリーンで時間を置かずに観ることができるのが『METライブビューイング』だ。

「メトロポリタン・オペラ」のシーズンは9月から翌年4月までで、その間ほぼ毎日のように公演がある。この秋からの2016~17シーズンの『METライブビューイング』では、現地で上演される全27演目の中から選りすぐりの10演目を採り上げる。現地での上演からわずか数週後に、日本語の字幕付きで上映。5.1chサラウンドの音響と、10台以上のHDカメラを駆使したダイナミックなライブ撮影により、リアルなオペラの魅力を余すことなく体感することができる。

すでに今シーズンの『METライブビューイング』では、ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』とモーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』がスクリーン上演された。2作目の『ドン・ジョバンニ』は言わずと知れたモーツァルトの傑作で、オペラの中に永遠に封印されたこのドン・ファン伝説を、名バリトン歌手サイモン・キーンリーサイドが熱演する。

続く3作目は、21世紀を代表する女性作曲家カイヤ・サーリアホによる『遥かなる愛』(新春1月21日から27日まで)。現代屈指の‘愛の名作’と言われる本作品は、MET初演。「シルク・ドゥ・ソレイユ」で知られる世界的な演出家ロベール・ルパージュによる演出にも、大きな期待が寄せられている。

2月初めの4作目は、『METライブビューイング』初登場のヴェルディ『ナブッコ』。古代バビロニア王ナブッコのイェサレム侵略の史実を壮大に描いた本作は、ご存知、イタリアの歌劇王ジュゼッペ・ヴェルディの出世作。第二のイタリア国歌として愛されている壮大な響きの合唱曲「行け我が想いよ、黄金の翼に乗って」をはじめ、心打つ名曲の数々が、巨匠ジェイムズ・レヴァインの指揮により鮮やかに展開される。タイトルロールを歌い上げる伝説の名歌手プラシド・ドミンゴをはじめ、新旧の一流キャストが贅沢に揃う本作のスクリーン上演も待ち遠しい。

さらに『METライブビューイング』ならではのお楽しみは、実際の公演の幕間に舞台裏で行われる歌手やスタッフへのインタビューや、大規模なステージ転換の模様などの裏方の動きも見られること。そう、『METライブビューイング』では、生のオペラ鑑賞では見られない場面を目にすることができるのだ。

日本に居ながらにして、リーズナブルな価格で、世界のトップ歌手が競演する絢爛豪華な舞台を鑑賞できる『METライブビューイング』。「オペラは観に行きたいけど、敷居が高くて……」という方にこそオススメの催しである。ぜひとも足を運んでいただきたい。

※全国19館で上映されている『METライブビューイング』。2016−2017シーズンのスケジュールや第4作目「ナブッコ」以降の内容などの詳細は、下記、作品ホームページをご覧ください。
http://www.shochiku.co.jp/met/

文/堀けいこ

 

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