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「いつまでも疲れが抜けない」「気が短くなった気がする」「食欲がない」……。その不調、あなたの心と体が休めていないサインかもしれません。

この連載では、自らも睡眠を変えたことで人生が変わった、睡眠コンサルタントの友野なおが、自分自身を幸福感で満たし前向きに生きるための“心と体の上手な休め方”をアドバイスします。

「最近なんだか眠れない」「すっきり起きられない」「イライラする」といった原因のはっきりしないプチ不調は、自律神経の乱れによるものかもしれません。

自律神経は、“昼間は活動的に、夜はゆったりおやすみモード”という1日の心地よいサイクルを維持するために大切な神経システムのひとつ。

昼間に優位になり体のアクセルの役割を果たす交感神経と、夜間に優位になりブレーキとして機能する副交感神経が約12時間ごとにシーソーのようにバランスをとりあって、1日のサイクルを作り出しています。

しかし、さまざまなストレスが原因で、夜になっても興奮状態のまま休息のスイッチが押されないなど自律神経のバランスが乱れると、冒頭に挙げたようなプチ不調の原因になることもあるのです。

そんな時に私がおすすめしているのが自律訓練法というリラックス法です。

■言葉で自律神経を整える自律訓練法

自律訓練法とは、決まった言葉を唱えることで自己催眠をかけ、全身の緊張を解きほぐすもの。

体をリラックスさせ、ストレスや疲労を軽減させるのに有効です。もともとは心理療法のひとつですが、現在では健康増進法としても広く行われています。

疲れが溜まっていると感じたり、ストレスなどが原因でさまざまな身体症状(不定愁訴)があると感じたりする方におすすめです。

やり方はとてもシンプル。

(0)の姿勢をとり、(1)~(3)の7種類の言葉をゆっくりと頭の中で繰り返して、(4)の消去動作で締めくくるだけです。トータル3~5分で行えるリラックス法です。

以下に方法を説明しますので、体のバランスが乱れていると感じていたりプチ不調を自覚したりしている方はぜひ取り入れてみてください。

■自律神経を整える自律訓練法のやり方

(0)準備:イスにリラックスして座る

静かで安心できる、照明が明るすぎない場所で、背もたれのあるイスを用意します。

両足の裏を床にしっかりとつけ、イスに深く座ります。背筋を伸ばし、両手は軽く太ももの上に置き、肩の力を抜いて目を軽く閉じます。

以下の(1)~(3)は、目を閉じた状態で行います。

(1)「気持ちが落ち着いている」

心の中で、ゆっくり2~3回唱えます。

(2)「●●が重たい」「●●が温かい」

「右腕(利き腕が左なら左腕)が重たい」と頭の中で2~3回繰り返し、意識を右腕に集中させます。その後、反対の腕、両足も同様に行います。

続いて「右腕(利き腕が左なら左腕)が温かい」と頭の中で2~3回唱え、意識を右腕に集中させます。これも反対の腕、両足とも同様に行います。

(3)「心臓が静かに規則正しく打っている」

「ラクに呼吸をしている」

「おなかが温かい」

「ひたいが心地よく涼しい」

心の中でイメージしながらゆっくり1回ずつ唱えます。(慣れるまでは2~3回唱えても大丈夫です)

(4)締めくくり:暗示を解除するための消去動作を行う

自己催眠状態を解いて、スッキリ意識を戻すための作業です。

目を閉じたまま両手をグーパーし、ひじやひざをゆっくり曲げ伸ばし。首をゆっくりまわして大きく伸びをして、目をあけます。

自律訓練法はこれでおしまいです。この(0)から(4)までの手順を、3~5分かけて行います。

なお、この方法は睡眠改善法としても広く使われていて、寝る前にベッドに横になった状態で行うのもおすすめです。その場合は、(4)の消去動作を省略し、(3)まで行ったらそのまま目をあけずに眠りに入っていきましょう。

自律神経を整えることで、朝はスッキリ目覚め、夜はゆったりとした精神状態から自然に眠りに入っていくという理想的な1日のサイクルが作り出せます。

*  *  *

正しいやすみかたを実践することは、心と体への大切なプレゼントです。毎日の生活にやすむことを取り入れれば、明日が大きく変わります。

そして、やすむということは、頑張ることに含まれる大切な要素。そのことを、ぜひ忘れないでくださいね。

私の著書『やすみかたの教科書』では、自律訓練法をはじめ、こころと体が整う40のやすみかたをご紹介しています。きっと、あなたにぴったりのやすみかたを見つけることができると思います。

本書が1人でも多くの方の笑顔につながることを、心より願っております。

監修・構成/友野なお
取材・文/酒寄美智子

指導/友野なお(とものなお)
睡眠コンサルタント。株式会社SEA Trinity代表取締役。科学でわかる ねむりの環境・空間ラボ主宰。自身が睡眠を改善したことにより体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。日本睡眠学会、日本睡眠環境学会に所属。行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりを得意とし、全国での講演活動、健康・美容市場における企業の商品開発やプロモーションのコンサルテーションを行う。

【参考図書】
『やすみかたの教科書』
(友野なお・著、本体1,200円+税、主婦の友社)

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