アンブロワジー。

『イデミスギノ』のアンブロワジー。

私が思うに世界一のケーキ屋さんです。もともとは神戸に店がありましたが、大震災を機に東京へ進出、京橋に店を構えました。

どんなに請われてもデパートには出店せず、支店も一切ありません。

オーナーシェフの杉野英実さんは自分の作った菓子に責任を持ちたいので、目の届く範囲以内でケーキを作り続けています。そして、できれば持ち帰らず、店でケーキを召し上がっていただきたいと。

ケーキは何より温度が大切なのだそうです。

『イデミスギノ』(HIDEMI SUGINO)を有名にしたのは、「アンブロワジー」という名のチョコレート菓子です。いまから20年以上前、「世界コンクール」で優勝した作品で、「アンブロワジー」=神様への捧げものという名にふさわしい、高貴な味わいの品格漂うケーキです。

杉野シェフの口癖は「当たり前のことを当たり前にやり続けていると、いつか当たり前でないものが出来上がる」。職人気質に徹した仕事から生まれる菓子は、一口食べると夢のように消えてゆきます。

一人で4つも5つも食べてしまうお客様が大勢いらっしゃいます。

【イデミスギノ (HIDEMI SUGINO)】
住所/東京都中央区京橋3-6-17 京橋大栄ビル1F
電話/03-3538-6780
営業時間/11:00-19:00(L.O. 17:30)
定休日/日曜・月曜
https://ja-jp.facebook.com/kyobashihidemisugino/

さて、この私の連載、今回で最終回となります。長い間のご愛読、誠にありがとうございました。

文/山本益博
料理評論家・落語評論家。1948年、東京生まれ。大学の卒論「桂文楽の世界」がそのまま出版され、評論家としての仕事をスタート。TV「花王名人劇場」(関西テレビ系列)のプロデューサーを務めた後、料理中心の評論活動に入る。

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