刺身からステーキまで、まぐろの食べ方は多種多様。より旨く食べるには、まぐろを知り尽くした料理人に聞くのが一番だ。

そこで今回は、『サライ』本誌12月号「まぐろ」特集の記事から、元まぐろ船のコック長・斎藤健次さんに教えていただいた「まぐろ」を使った料理を2つご紹介しよう。

斎藤健次さん

斎藤健次さん

指南役の斎藤さんは、千葉県船橋市でまぐろ料理を中心にした居酒屋『炊屋(かしきや)』を経営する69歳。20代のころに高知へ赴き、遠洋漁業まぐろ延縄漁船に乗り込んだ。主に南半球を操業したというが、その航海は実に1770日。このときの乗船体験を描いた『まぐろ土佐船』は、第7回小学館ノンフィクション大賞を受賞している。

ご存知のとおり、まぐろ漁はときに大きな危険が伴う仕事である。そのため荒海で闘う漁師たちを、食べ物で鼓舞した。毎日の惣菜の材料になっていたのは、<くわれ>という、鮫などに傷つけられたまぐろだ。

「刺身を作るのはもちろん、端肉を叩いてハンバーグやつみれにしたり、醤油漬けの切り身をサラダにしたり、工夫しました」(佐藤さん)

船はミナミマグロを狙っていたが、メバチやキハダなど他のまぐろも揚がる。マグロは種別や部位によって味も違うため、毎日まぐろ料理で船員たちを満足させたという。

そんな斎藤さんに、豪快なまぐろ料理を伝授してもらおう。

■料理①:まぐろステーキ

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まぐろ1サクをバターで焼いて、ステーキにしようという贅沢な料理。マグロはほどよく脂の乗った中トロがオススメだという。焼くといっても、両面に焼き目がつく程度の超レアが原則で、バターと白ワインの風味をからませる。こうすることで、刺身とはまったく違った味わいになるのだ。また、レモンを絞ってもいい。冷えた辛口の白ワインと相性がいいが、吟醸酒を合わせるのも格別だ。

【材料】2〜3人前
まぐろ中トロ:1サク
舞茸:80g程度
バター:30g
白ワイン:50cc
塩:適量
胡椒:適量
醤油:適宣

【作り方】
手順①:フライパンを熱し、バター15gを入れ溶かす。バターが溶けたところでまぐろを入れ、両面に焼き色がつく程度まで焼く。

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手順②:まぐろを取り出したフライパンにバター10gを入れ、ほぐした舞茸を炒める。炒めながら塩、胡椒を振り、最後に白ワインとバター5g、醤油で味を調える。

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手順③:焼いたまぐろを平切りにして、2.の舞茸ソースを添える。

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■料理②:頰肉の炙り刺し

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最近はスーパーでも、まぐろの頰肉を見かけることがある。鮮度のいいものはさっと炙って余分な脂と匂いを除き、刺身でいただくといい。頰肉は繊維がしっかりしているので、噛むほどにまぐろの旨味が滲み、酒も進むことになる。

【材料】2人前
まぐろ頰肉:2枚
万能葱:3本
白胡麻:適量
生姜:適量
ニンニク:適宣

【作り方】
手順①:まぐろ頰肉を焼き網に乗せ、強火の直火で表面をさっと炙る。色が変わる程度でよい。

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手順②:炙ったまぐろ頰肉をそぎ切りにして皿に盛りつけ、刻んだ万能ネギと白胡麻を散らす。

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手順③:なお、このレシピでは薬味に生姜とニンニクを添えたが、もちろんワサビでも旨い。また、漁師風に醤油マヨネーズで食べても格別だという。

以上、元まぐろ船のコック長・斎藤健次さんに教えていただいた「まぐろ」を使った豪快な料理レシピを2品ご紹介した。ぜひご家庭でもお試しいただき、名店の味を再現してみてはいかがだろうか。

【まぐろ料理炊屋】
所在地/千葉県船橋市習志野台4-23-13
電話/047-464-9909
営業時間/17時30分〜22時
休業日/火曜、水曜

*  *  *

発売中の『サライ』本誌12月号では、上記の他にも、まぐろ餃子、まぐろのあご焼き、まぐろ味噌漬けのねぎま焼きなど、斎藤さん直伝の絶品メニューを多数紹介している。自宅で試せるものばかりなので、ぜひご覧いただきたい。

※この記事は『サライ』2016年12月号掲載の「旨い、まぐろの食べ方」記事(取材・文/北吉洋一、撮影/宮地工)を元に、Web用に再構成したものです。(Web版構成/印南敦史)

【関連リンク】
※ サライ12月号の大特集は「まぐろ」!名店で味わう至福のひと皿や、まぐろ漁船の元・料理長が指南する秘伝の献立も紹介しています。

 

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